salitoté(さりとて) 歩きながら考える、大人の道草ウェブマガジン

そらのうみをみていたら。

2011-01-17
縁はだれが結んでいるのだろう?

ときどき、なんの計らいか?と目に見えないものの力を見せつけられるときがある。できればスピリチュアルとか、そういうもので片付けたくない、人と人とのご縁を結びつけてくれるもの。

この前、新年会と友人の結婚報告祝いを兼ねて、友人宅に集まった。
メンバーは、12月に電撃結婚をしたばかりのカップルと、結婚が決まった女友だちと私。
その日にカップル妻の提案で、プレゼント交換をすることになった。

宴もたけなわ、いよいよプレゼント交換タイム。「もしもし亀よ亀さんよ」の歌でトライしたものの、4人だからか、自分のところに戻ってきたので、あみだくじで。同世代だからこその懐かしさよ(笑)。

結婚がきまった友→カップル妻へ
カップル妻→カップル夫へ
カップル夫→私へ
私→結婚が決まった友へ
になった。

私以外のプレゼントは見た目がみんな、うすっぺらくて、どうも本らしいことはわかった。

「まさかおんなじ本だったりしてね〜」
なんていいながら、それぞれが包みをときはじめると…。

結婚が決まった友と、カップル妻が選んだのが本当に、同じ本だった。
タイトルは「おおきな木」シェル・シルヴァスタイン (著), Shel Silverstein (著), 村上春樹 村上春樹 (翻訳)

ちなみのこの二人はこれまで会ったのも数回で、それほどお互いの趣味がわかりあっているわけではない。

結婚が決まった友は、昔から大好きで読んでいた絵本だという。
カップル妻は、TSUTAYAをぐるっとまわって、色が印象に残り、村上春樹の訳というのにも惹かれ、内容もいいなと思ったという。

結果、カップルふたりにこの絵本が贈られることになった。

このご縁に比べると、たいしことではなく思えてくるが、カップル夫が選んだ「かいじゅうたちのいるところ」のDVDは私がもらうことになったのだけど、このDVDは私が昨年のクリスマスプレゼントに姪っ子に贈ったものだ。

どうでもいいが…私が選んだのは、ハート形のハンドソープとバブルバス。結婚したばかりのふたりでも、結婚が決まった友でも、どっちに行ってもいいかなと。今回のドラマチックな展開に、かなりしょぼい感じになったけれど。

世知辛いこともいろいろあるけれど、ときどき強烈にみせつけられる、目に見えないものが結んでくれるご縁に、今日はゆらりとひたっておこう(1月17日)。

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魚見幸代
魚見幸代

うおみ・ゆきよ/編集者。愛媛県出身。神奈川県在住。大阪府立大学卒業後、実家の料理屋『季節料理 魚吉』を手伝い、その後渡豪し、ダイビングインストラクターに。帰国後、バイトを経て編集プロダクションへ。1999年独立し有限会社スカイブルー設立。数年前よりハワイ文化に興味をもち、ロミロミやフラを学ぶ。『漁師の食卓』(ポプラ社)

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