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ジャズベーシストが語る超私的JAZZのはなし

2018-03-21
作曲家に注目してみよう

長らくご無沙汰していました。
私事ですが、昨年5月に山形県に移住しました!
たまに東京やその他色んな場所で演奏活動を続けています。名前を見かけたら聴きに来てくださいね!

さて、久しぶりの今回は、「作曲家」についてのお話です。

ジャズミュージシャンが普段演奏している曲は、

・演奏家の自作曲
・ジャズミュージシャンが作った曲(チャーリー・パーカー、セロニアス・モンク、デューク・エリントン・・・)
・トラディショナル(各国の民謡や童謡などをアレンジしたもの)
・アメリカのポピュラーミュージック

の大きく分けると4つにわかれると思います。
今回はその中の「アメリカのポピュラーミュージック」に注目してみようと思います。

1930~50年代ころに流行った映画やミュージカルの曲の多くはジャズミュージシャンが取り上げ、いまでもジャズスタンダードとして演奏されている曲が沢山あります。

長い間、ただただ曲を演奏することに必死で、この曲は誰が書いたか、にまで興味が向きませんでした。ジャズミュージシャンが演奏してる曲は「ジャズ」だとただ漠然と考えていました。
でもその曲たちの多く映画音楽やミュージカルの音楽が元だった、と知ったのは演奏しはじめてかなり過ぎたころ。だんだんと「作曲したのは誰か」「その背景は?」などに興味がわいてきました。

自分が演奏している曲を誰が書いたか、に注目するようになって、その曲に前よりも愛着を持って演奏することが出来るようになった気がします(だからといって急にうまく演奏できるわけではないですけど)。
2004年に公開された「五線譜のラブレター」を観たことも興味を深めたきっかけです。

この映画は、作曲家コール・ポーターの生涯を描いた作品です。劇中で、様々なアーティストがコール・ポーターの曲を歌うシーンもたくさんあって、楽しめる映画ですので、まだ観ていない方はぜひ観てください!

今回は作曲家の紹介ですが、もちろん作曲家がいれば作詞家もいます。
「この曲は誰が作って、こんな歌詞がついてるんだ」
ということがわかるだけで、ジャズの世界がさらに広がったような感じがします。
彼らがいい曲を遺してくれたおかげで70年、100年たった今も私たちは素敵な曲を演奏できる。
作曲家のみなさん、ありがとう~!

*ジェローム・カーン/ Jerome Kern (1885-1945)
ニューヨーク生まれのドイツ系ユダヤ人。20世紀初頭を代表するミュージカル作曲家。
40年間の間に700曲以上を作曲した。
ジャズでよく演奏される代表曲:
「煙が目にしみる」「Yesterdays」「All the Things You Are」「The Way You Look Tonight」など

*ハロルド・アーレン/ Harold Arlen(1905-1986)
500曲以上を手がけた作曲家。代表作は『オズの魔法使い』の「虹の彼方に」。
多くのジャズミュージシャンが彼の曲を取り上げている。
ジャズでよく演奏される代表曲:「Over The Rainbow」「It’s Only a Paper Moon」「I’ve Got the World on a String」
「Come Rain or Come Shine」「Let’s Fall in Love」
「As Long as I Live」「Last Night When We Were Young」
「My Shining Hour」「Out of This World」

♪ピアニスト、オスカー・ピーターソンのアルバム「plays The Harold Arlen Song Book」はおすすめです!

*ホーギー・カーマイケル/ Hoagy Carmichael(1899-1981)
彼はミュージカルの作曲家ではなく、自作の曲を弾き語りで歌ったりしていた、いわばソングライター。1920 年代にはインディアナの大学で法律を勉強していたが、そのころから自分でバンドを持つなど、音楽にも没頭。
ちょうどそのころ知り合ったビックス・バイダーベック(ルイ・アームストロングと並んでアメリカでは有名なコルネット奏者だった) のバンドに入ったことがきっかけでミュージシャンになる。その後も弁護士の仕事をしていたこともあったようだが、その後、音楽の仕事に専念し1927 年「スターダスト」1930 年「我が心のジョージア」の作曲で有名に。
テレビ番組の司会や、俳優としても活躍した。
ジャズでよく演奏される代表曲:「Stardust」「Georgia on My Mind」「 The Nearness of You」「Skylark」

*ヘンリー・マンシーニ/ Henry Mancini(1924-1994)
オハイオ州生まれ、イタリア系アメリカ人。フルート奏者の父親から、フルートとピッコロの教育を受ける。高校卒業後、ベニー・グッドマンのすすめでニューヨークに移住。ジュリアード音楽院に進学。その後、グレン・ミラー楽団のアレンジャー兼ピアニストとなった。
1952 年にユニバーサルピクチャーに入社。それ以降、数々の映画音楽を手がけた。日本で有名なのは、
「ティファニーで朝食を」「シャレード」「ひまわり」「刑事コロンボ」「ピンクパンサー」など。
ジャズでよく演奏される代表曲:「Moon River」「Charade」「Two for The Road」「Days of Wine and Roses」「Loss of Love(Sunflower) 」

*ジミー・ヴァン・ヒューゼン/ Jimmy Van Heusen (1913-1990) 
アメリカ・ニューヨーク生まれ。最初のヒット作は、Benny Goodman のために作った、
「Darn That Dream」。長年の友人であったフランク・シナトラやビング・クロスビーにも数多くのヒット曲を書いている。14 回アカデミー歌曲賞にノミネートされ、4 度受賞。
ジャズでよく演奏される代表曲:「Darn That Dream 」「But Beautiful」「It Could Happen to You」「Like Someone in Love」
「I Thought About You」「Polka Dots and Moonbeams」「Here’s That Rainy Day」・・

*ヴィクター・ヤング/ Victor Young (1900-1956)
アメリカ、イリノイ州シカゴで、ポーランド系ユダヤ人のオペラ歌手の息子として生まれる。6 歳の頃からバイオリンを習い、祖母の国、ポーランドで暮らすようになってからはワルシャワ・フィルハーモニーに入団し、ソリストとしてデビューするほどの天才ぶりを発揮。1920 年にアメリカに戻ってからもバイオリン奏者として活動するが、その後、ポピュラーミュージックへ。ラジオショーのバンドを務める。そのころに歌手のビング・クロスビーとの交流も生まれ、そのことがきっかけで映画音楽に携わるようになる。「エデンの東」「80 日間世界一周」等の映画音楽を手がけた。
ジャズでよく演奏される代表曲:「Beautiful Love」「Stella By Starlight」「Love Letters」「My Foolish Heart」
「When I Fall In Love」「Weaver of Dreams」・・

*アーヴィング・バーリン/ Irving Berlin (1888-1989) 
ロシア、ベラルーシに生まれ、5 歳の頃にアメリカ、ニューヨークに移住。正式な音楽教育を受けたことがなく、楽譜の読み書きは出来なかったが、半世紀の間に膨大な量の優れたポピュラー・ソングを作詞・作曲し、ジョージ・ガーシュウィンから「アメリカのシューベルト」と言われた人物。作ったメロディをつたないピアノで演奏し、専属の採譜者に記録させていた。
1950 代以降のロックンロールの人気に違和感を覚え、1962 年に作詞作曲から引退したと言われている。
1989 年に101 歳で死去。アメリカでは死後に栄誉を称え記念切手が発売されるほど有名な作曲家。
ジャズでよく演奏される代表曲:「White Christmas」「ショーほど素敵な商売はない」「Cheek to Cheek」「Blue skies」
「Remember」「They Say It’s Wonderful」「How Deep Is the Ocean」・・

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若林 美佐
若林 美佐

わかばやし・みさ/ジャズでは珍しい女性ジャズベーシスト。奈良県出身。小学3年生から打楽器を始め、大学生の頃にジャズベースに興味を持ちエレキベースを手にする。一旦は就職し、真っ当な社会人生活を送るも、「ジャズベーシストになってみようかな・・・」という思いから退職し、ウッドベースを習い始める。同時に(強引にも)プロミュージシャンとして活動を開始。2002年にはNYに渡米。帰国後、活動拠点を関東に移し、現在は首都圏、関西を中心にライブ活動中。

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