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ジャズベーシストが語る超私的JAZZのはなし

2015-04-5
ジャズの歴史についての、ざっくりとしたハナシ(前半)

歴史の話、というと何だかタイヘンな感じに聞こえますが、ほんとにざっくりとした話です。詳しくわかっていないことも多いですし。

「Jazz」という言葉はいつ頃から使われているのか?
私も、つい最近まで疑問にも思わなかったことです。
ジャズが生まれたのは1900年ごろだそうです。1913年、シカゴからニューオリンズにショウをしに来た有名なコメディアンが、その頃ニューオリンズで演奏されていた「Jass Band」の音楽に感銘を受け、シカゴにもこの「Jass」という音楽をやっていたバンドを呼びたい、と考えました。
そして、シカゴにやってきた「Jass」。呼び方をニューオリンズとは変えたい、と
「Jass」

「Jas」

「Jazz」
という呼び名になった…、という話が最も有力な説みたいです。
嘘みたいな話。

で、ここからジャズの歴史ざっくりと…

1900年頃
ニューオリンズで生まれたジャズ。副業としてミュージシャンをやってる人たちが、酒場での酔っ払い相手の演奏、売春宿での演奏、もしくはサーカスの幕間やコメディアンのバックなどでの演奏が盛ん。

1910年頃
次第に音楽だけで生活していけるミュージシャンが増えるが、稼ぐためにはコミカルな演奏をしなくては受けなかった。ミュージシャンというよりはエンターテイナーとしての要素が大きい。

この頃の有名なミュージシャン
●キング・オリバー (トランペット)
●ルイ・アームストロング (トランペット、ボーカル)

●ベッシー・スミス (ボーカル)

1920年頃
第一次世界大戦後、ジャズはミシシッピ川を北上し、シカゴからニューヨークへ。
折しも、禁酒法時代。マフィアが持つ、違法酒場で不可欠な音楽となり、ジャズがさらに盛んになる。

1930年頃
世界恐慌後、明るい音楽が好まれるようになり、ビックバンド(サックス、トランペット、トロンボーン、ピアノ、ベース、ドラムス、の大編成のバンド)全盛期へ。
華やかな、スウィングジャズを演奏するビックバンドが全米のダンスホールを席巻。

この頃の有名なミュージシャン、バンドリーダー
●デューク・エリントン (ピアニスト、バンドリーダー、アメリカを代表する作曲家)

●ベニー・グッドマン (バンドリーダー、クラリネット)
●グレン・ミラー (バンドリーダー、トロンボーン)
●カウント・ベイシー (バンドリーダー、ピアニスト)

1940年頃
ダンスと一体化したジャズに飽きる観衆やミュージシャンも出始める。
ミュージシャン達は、公演終了後、夜な夜なジャズクラブで行われていた「ジャムセッション」に集まるようになる。
メロディやハーモニーを主体とする、スイングジャズを発展させ、コード進行でアドリブを演奏するスタイルが徐々にジャズの主流になりつつある。

ここで、チャーリー・パーカー (アルトサックス) 登場!

もちろん、パーカーだけではなく、このジャムセッションを通して生まれたのだろうと思うけど、パーカーの出現により、ジャズは大きく変わることになる。
それが「Be-Bop」です。
コードの可能性を広げ、独特な歌いまわしで演奏する、そのスタイルに全米中が驚いた(と思う)。パーカー以降は彼の演奏スタイルが「ジャズ」そのものになっていく。

ミュージシャン達はどんどんメロディとかけ離れた演奏を試すようになり、当然のように、それを嫌う人達もいて、ジャズから離れる人も多かった。

この頃の有名なミュージシャン
●チャーリー・パーカー (アルトサックス)

●ディジー・ガレスピー (トランペット)
●セロニアス・モンク (ピアノ)
●バド・パウエル (ピアノ)
●マイルス・デイビス (トランペット)

1950年頃
ビバップ、ハードバップ、クールジャズ、聴衆もジャズミュージシャンが演奏するものを受け入れ始め、ここから1960年代までが、ジャズの全盛期と言っていい。
この頃のジャズがいかにクールで、時代の先端いっていて、カッコよかったかは、今も残る録音で聴くことが出来る。

この頃の有名なミュージシャン
●マイルス・デイビス (トランペット)
●ソニー・ロリンズ (サックス)

●クリフォード・ブラウン (トランペット)
●アート・ ブレイキー (ドラム、バンドリーダー)
●ホレス・シルバー (ピアノ、バンドリーダー、作曲家)

ジャズは生まれて50年ほどで、発展を遂げ、アメリカを代表する音楽となった。

遠く日本でジャズを演奏している私。ちょこっとジャズの歴史を覗いてみて、新しい音楽ってこんな感じで生まれていくのか、としみじみとした気分。そして、改めて、ジャズはアメリカの音楽なんだな、と感じるのであります。

酒場で演奏したり、それに飽き足らず夜な夜なジャムセッションに出かけたり…今とぜんぜん変わっていない部分もあります(アメリカから来日するビックバンドのメンバー、公演終了後にはジャムセッションにやってくる人、多いです)。

歴史を追いながら、その時のジャズを順番に聴いていくというのも面白いです。

歴史の後半は、また別の機会に!

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若林 美佐
若林 美佐

わかばやし・みさ/ジャズでは珍しい女性ジャズベーシスト。奈良県出身。小学3年生から打楽器を始め、大学生の頃にジャズベースに興味を持ちエレキベースを手にする。一旦は就職し、真っ当な社会人生活を送るも、「ジャズベーシストになってみようかな・・・」という思いから退職し、ウッドベースを習い始める。同時に(強引にも)プロミュージシャンとして活動を開始。2002年にはNYに渡米。帰国後、活動拠点を関東に移し、現在は首都圏、関西を中心にライブ活動中。

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