2012-02-19
「旅の病は天敵」
「盗難」というのは旅のテンションが下がる理由の大きなひとつになる。その為にも、パスポートや現金など貴重品の盗難防止は最低限、心がけている。部屋にセキュリティボックスがある場合はもちろん貴重品は入れておくし、安宿でセキュリティボックスがない場合は出掛けるときにトランクに鍵をかけ、椅子にワイヤーでつなげておく。これで取られたら仕方がないし、今のところ、これで一度も盗難にあったことはない。全部、持って出掛けた方が安全という人もいるが、僕のように、おっちょこちょいで鞄自体を忘れてしまうこともある人は、パスポートの携帯義務のない国では一日に使うであろう現地のお金といざというとき用のクレジットカードを一枚だけしか持っていかない。そのクレジットカードでさえも先日、ATMで現金だけとってカードを取り忘れて失くしてしまい、カード会社へ電話をして使用を止めてもらったばかりなのだから。
もう一つ旅のテンションが下がる理由に体調不良がある。こればかりは注意していてもやってくるときにはやってくる。僕のように基本的に怠け者で決して無理をしない旅人でも、年に一度や二度くらいは具合が悪くなる。お腹を壊すのはしょっちゅうなので慣れてしまったが熱だけはどうにもならない。マイペースで旅をしていても疲れが溜まるものなのか熱が出て、そのまま風邪に移行することもある。ただ旅先で病院に担ぎ込まれる事態だけは旅人生の中で一度もないというのは幸運である。
元々、身体が決して強くない僕の場合、少しでも熱が出ると、その日の行動は全てキャンセルし、ポカリスエットなどのスポーツ飲料とミネラルウォーターを買い込み、バスタブがある場合は半身浴で汗を出してから暖かくしてベッドの中にもぐりこむことにしている。ウルグアイで具合が悪くなったときも、モンゴルで具合が悪くなった時もそうして一日か二日で復活した。
ウブドの街で久しぶりにマッサージを受けた直後から具合が悪くなり、カフェで一気に熱が出てきたのを感じた。登山に行き、現地の葬式と結婚式の二つに参加するなど僕にしてはアクティブに動きすぎた一週間だったからかもしれない。カフェでレモンジュースを二杯続けて飲み、すぐにコテージに戻った。コテージのスタッフに熱のことを伝えるとインドネシアの漢方薬をくれた。半身浴で汗をしっかり出した後、いただいた漢方薬を飲み、長袖Tシャツの上にもう一枚Tシャツを着て、ベッドにもぐりこんだ。ネバネバしたような汗をかき、途中で一度だけ着替え、十二時間眠り続け、無事、復活である…と思いきや僕の悪い癖で病み上がりに酒を飲み過ぎ、大好きな脂っこい豚の丸焼き料理「バビグリン」を食べ過ぎ、またしても翌日、ベッド行きになってしまった。僕の場合、「病に注意」より「いい気にならない」を加えた方がよさそうである。
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