2012-06-17
「値段交渉をスポーツと考えると?」
基本的に値段交渉が苦手である。しかし、これができないと外国では気軽にタクシーも乗れないことが多い。僕が街を歩き始めた理由は値段交渉しなくてはいけないタクシーが嫌だったこともあるのだろう。しかし、インドでオートリキシャー(三輪のバイクに客椅子のついたタクシー)を使っているうちに、交渉もスポーツと同じだなぁと思い始めた。スポーツと値段交渉を同じにするというのも極端だが、僕にとっては相手の心理を見ながらゲームをしているような感覚になってきたのだ。
まず、このゲームには本来の値段を把握しておくことが必要である。現地在住の知り合い、もしくは詳しい日本人が周囲にいれば聞くのがいいし、もし、いなければネットの口コミ情報で調べるかホテルでだいたいの値段を聞く。これはスポーツであればルールを知ることになる。僕ら外国人は、アウェイ(敵地)であるため、不利な状況から始まる。つまり現地の客より高くなる。後は、いかにホーム(現地)の価格に近付けるかということになる。
例えば、オートリキシャーであればメーターを使ってもらえれば現地価格に近づく。メーターに細工されたり、遠回りされなければだが…。そのメーターでさえなかなか使ってもらえない。運よくメーターを使ってくれる正直な運転手に出会った場合は、その時の距離と値段をだいたい覚えておく。その距離より遠いか近いか、その時の値段と比べてどれくらい高いかという交渉のゲームの今後の作戦につながる。
メーターを使ってもらえない場合は、行先を言ってから値段を聞く。たいてい二倍から三倍の値段のシュートを放ってくる。もちろん、すぐにゴールを許してはいけない。
「じゃ、いいや」
と一回、拒否して蹴りだしてしまうのである。諦めのいい運転手は、すぐに行ってしまうが、多少でも乗せたい運転手は
「ハウマッチ?」
と聞いてくる。そうなれば後は駆け引きである。もちろん相場より極端に安い値段を言ってしまえば相手はゲーム放棄して行ってしまうだろう。メーターなみの値段を言えば、こいつ値段知ってるなぁと相手の顔が険しくなり、それでも、メーターより多少、高い値段のシュートを打ってくる。ここからはある程度、自分の中で生まれてきた値段の許容範囲によって決めていけばいい。
状況判断も影響してくる。なかなか次のオートリキシャーが来なさそうな場所や疲れていてすぐに移動したいときは、自分の中の値段の許容範囲も広くなる。まだまだ歩けるようであれば、最悪、歩けばいいので強気でいけばいい。こうして値段を交渉して乗り込む。
そこまでして値段交渉しても違いは100円程度である。しかし、値段交渉で、これくらいの値段だった方がよかったのかなぁと反省しつつ、ほんの少しだけ値段交渉が上達していく自分に小さいながらも喜びを感じたりする。まだまだ勝ち星は少ないが、それなりにゲームを楽しめる程度になってきたことは僕にとっては大きな成長なのである。
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