2012-06-24
「中国ビザ取得までの長い道のり」
2003年から中国は15日までの滞在であればビザが必要なくなった。ただ、今回の僕の中国滞在は17日という微妙な日数である。微妙だろうが15日を過ぎれば当然、ビザは必要となる。もう少し事前に何とかならなかったのかと言われそうだが、変更の効かない格安航空券を購入した後にビザが必要であることをインドのデリーでネットサーフィンをしながら気づいたのだ。中国に入る前でよかったと思うしかない。
ビザなしで中国に入った場合、基本的には後からビザの申請はできない。となると中国国内に入ってから15日以上はビザが必要ということに気づいたら、一旦、途中で国外へ出なくてはいけない。ネットで体験談を読むと場所によっては公安で後からビザ発効できた人もいるそうで、中国の公安に出掛けていくこと自体は体験として面白いだろうが、それで取れる保証はないし、そこまで賭けをして旅をするのは小心者の僕にとって心地いい旅ではなくなる。
そこで、スケジュールに余裕のあるインド滞在の間に中国ビザを取得することにした。タクシーで中国大使館に向かうと入口あたりに軍服を着たインド人が、ものものしい警備をしており、ビザを取得しに来た旨を伝えると
「今日はダメだ!」
と言われた。仕方なく翌日、もう一度、大使館に向かうと今度は係員からビザはここではなく、ビザ発給専門場所があるとあっさり言われる。あれ?昨日、今日はダメだと言ったんだけど的に言うと、今日は大使館に入れないと言っただけで、ここがビザ発給できると言ったわけではないというような屁理屈を言われてしまう。ネットでインドの中国大使館でビザを取得した体験記を読んでいたので、てっきり大使館で取得するものだとばかり思っていた僕にも非はある。情勢は常に動いている。だから、今、デリーでの中国ビザの取得体験談を書いているが、いつまた状況が変わるかわからない。
大使館前でタクシーを降りてしまった僕は、改めてオートリキシャーを止め、値段交渉した後、コンノートプレイス近くのメルキュールホテルに隣接するオフィスビルにあるビザ発給場所へ向かった。このオートリキシャーが逆走で警察につかまるわ、ガス欠にはなるわ、最後にはクラッチが壊れ、押しがけになるという、この後の展開を占うようなトラブル連発で、ようやく到着した。
パスポート、写真、旅程、航空券とホテルのバウチャー、それぞれのコピー、何を言われても出せるように持ってきたが、申請書つまり中国のビザが必要な理由を英語で書いた文書を添えなくてはいけないと窓口で言われる。すぐに隣接しているホテルのビジネスセンターで白い紙をもらい、ロビーで書き込み、再び窓口に向かうが、手書きはダメだと再び突き返された。僕があまりにがっかりしているのを見かねたのかインド人の係員は隣のホテルのビジネスセンターにパソコンがあるからそこで書類を作成すればプリントアウトできるからと優しく教えてくれた。再びビジネスセンターに戻り、パソコンを借りてキーボードを叩いていると、ここで申請書を作る方が多いのか、受付の女性が画面をのぞきこみ、僕のめちゃくちゃな英文の添削をしてくれた。こうして半日がかり、いや、前日から含めると二日がかりで、ようやくビザの申請を終えた。
たいしたことをしたわけでもないのに大仕事を終えた気になり、開放感に浸りながらビールで一人祝杯をあげた。やはり予定がわかっているのであればビザは日本で取るに限るが、この開放感に満ちたビールを味わえるのなら、たまにはこんな試練を体験してもいいかもしれない。
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