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イシコの歩行旅行、歩考旅行、歩行旅考、歩考旅考

2012-05-20
「インドのビザに翻弄される」

 インドの観光ビザを取得するのは三回目。一回目は日本で取得した。日本で取得する場合、午前中に申請すれば、夕方には受け取ることができる。二回目はネパールのカトマンズで取得した。取得したというより取得せざるを得なかった。慢性的に注意不足の僕は一度その国を出たら無効となるシングルビザを取得していたことに気づかず、デリーを一旦、出てネパールはカトマンズで一週間ほど過ごし、その後、インドに戻ろうとして、カトマンズの空港のイミグレーションで止められたのだ。期間中であれば何度でもインドに入ることのできるマルチビザを取得しなくてはいけなかったのだ。イミグレーションで呆然と立ち尽くし、しばらく何も考えることはできなかった。

飛行機のチケットは再度、買い直すことになり、カトマンズのホテルを再度、決め、翌日、インド大使館へビザを取りに行った。カトマンズ在住の知人から申請した当日の午後にはビザが取得できると聞いた。しかし、その申請までが大変だった。ビザ申請窓口は午前9時からだが、窓口が一人のため早く行かないと何時間も待つことになる。よって朝7時から門の前には整理番号をもらうための人であふれている。僕は7時30分に到着したが既に待っている人は50名を超えていた。9時30分に門が開き、僕の番がやってきたのは12時近く。待合室があるわけでもなく立ったまま。挙句の果てに航空券のコピーが必要なのだと言われ、「トゥモロー」と突っ返され、2日がかりでビザを取得した。事前の情報収集が不可欠であることをこの時、身をもって体験したのである。そして、写真やパスポートのコピーはもちろんのこと、飛行機チケットのコピー、現地で宿泊するホテルのバウチャー(予約確認券)があればそのコピーなどを書類ケースに常に入れておき、何を言われても出せるように書類は多めに持っていくことも学んだ。

そして三回目のインドビザはタイのバンコクで取得することになった。書類さえ揃っていれば、当日発効という感覚でいた。ビザを専門に扱う部署はインド大使館とは別の場所にある。中には書類の書き方例も置いてあり、書類を書く場所の近くには相談係がいて、書類の漏れがないかチェックをしてくれ、写真のはさみ入れと貼り付けまでやってくれる。後は銀行で順番を待つときにもらうような番号札を受け取り、座席で待ち、自分の番号が表示されたら窓口に行く。バンコクのインドビザ発給センターはいい…と思ったが当日、発効ではなかった。中三日。つまり月曜申請で金曜夕方の受理。金曜申請の僕は土日を挟むこともあり、翌週の木曜日になる。こうしてバンコクで約一週間の足止めを食らうことになってしまったのである。

今、ここに挙げた話は既に過去として思っていただいた方がいい。ビザ取得は国の情勢によってもどんどん変わっていく。いつのまにかビザが必要なくなっている国もあれば、その逆もある。旅に行く度、ホームページで確認するか大使館に問い合わせ取得していくしかない。もちろん代行に頼む方法もあるけれど。

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ishiko
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イシコ。1968年岐阜県生まれ。女性ファッション誌、WEBマガジン編集長を経て、2002年(有)ホワイトマンプロジェクト設立。50名近いメンバーが顔を白塗りにすることでさまざまなボーダーを取り払い、ショーや写真を使った表現活動、環境教育などを行って話題になる。また、一ヵ月90食寿司を食べ続けるブログや世界の美容室で髪の毛を切るエッセイなど独特な体験を元にした執筆活動多数。岐阜の生家の除草用にヤギを飼い始めたことから、ヤギプロジェクト発足。ヤギマニアになりつつある。

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