salitoté(さりとて) 歩きながら考える、大人の道草ウェブマガジン

イシコの歩行旅行、歩考旅行、歩行旅考、歩考旅考

2012-01-29
「空港タクシーに気をつけろ!」

タイのタクシーがいいか悪いかで白熱した議論が繰り広げられたことがある。互いに酒も入っていたせいか、二人とも目が血走っていた。
「イシコはどう思う?」
どちらにつくか問われた。どっちでもいいよとはとても言える雰囲気ではなかった。
タイでのタクシーの乗車体験を思い出しながら基本的には運じゃないかなぁと答えた。
「お前はいつもそうやってどちらにも取れるような答え方をする!この偽善者め!」
どちら側からも罵倒された。

偽善者というのは当たっているかもしれないが、タクシーに関しては本当に運だと思っている。もちろん運と言う前に避けられる部分を考えた上での話であるけれど。例えば、最初に値段を確認して乗ることやメーターがある場合は使ってくれることを確認してから乗るなどすれば、多少のトラブルは防げる。それでも後から難癖をつけて値段を上げようとしたり、釣銭を持っていなかったり、わざと遠回りしてメーターを高くしてしまったり、場合によっては別のホテルに連れていってしまう運転手に当たることだってある。それに関しては運だと思う。

最も気を付けているのは空港から乗る際に使うタクシー。たいてい街までの距離が遠いので、ぼったくりの額も自然に大きくなる。ガイドブックをほとんど使わない僕も初めて行く空港くらいはインターネットなどで街までの値段や乗り場などその街のタクシー事情を調べておく。一度、この空港に行っているからいいやと思って確認しないで、いざ空港に到着してから、あれっ?どう行くんだっけ?と思うこともある。その場合は、すぐに外には出ないで、インフォメーションセンターを探すことにしている。

しかし、二年ぶりのバリ島に到着した僕は、「あれっ?」と思ったときには既に空港の外。このあたりにエアポートタクシーカウンターがあったような…と思いだしている時には、タクシーの運転手に囲まれていた。三回目のバリ島だから大丈夫という気の緩みもあったに違いない。囲まれた彼らにエアポートタクシーカウンターの場所を聞くが、「自分たちがエアポートタクシー」だと言って許可証のような物を見せ始める。集まってきたドライバーがみんなお揃いの青いシャツを着ているので、空港のタクシーは新しいシステムに変わったのかもしれないと信じそうになる。
「ウブドまでいくら?」
と聞いてみた。40万ルピア(約4,000円)と言う。そこで再び「あれっ?」と思った。
実は僕は今回のバリ島滞在を終えた後、一旦、クアラルンプールに向かい、その後、またすぐにバリ島に戻り、コテージを一ヶ月借りることになっていた(当時、バリ島の観光ビザの期間が1ヶ月だったので)。そして、そのコテージの送迎タクシーを頼んでいた。それが20ドルでお願いしたことは覚えている。つまり倍の値段である。

ちょうど係員が見えたのでエアポートタクシーカウンターの場所を尋ねてみた。聞いてよかった。僕が出た出口と反対側の出口にエアポートタクシーカウンターはあったのだ。ウブドまで20万ルピア(約2,000円)。もし、次のコテージ一ヶ月の予定がなかったら、青いシャツの運転手のタクシーに乗っていたかもしれない。あらかじめ現地の情報を調べておくことはトラブル回避につながることをこの時に改めて学んだのである。
タイのタクシーの運転手の話?軍配が上がる前に二人とも酔っぱらってしまい、どうでもよくなっちゃったようです。

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ishiko
ishiko

イシコ。1968年岐阜県生まれ。女性ファッション誌、WEBマガジン編集長を経て、2002年(有)ホワイトマンプロジェクト設立。50名近いメンバーが顔を白塗りにすることでさまざまなボーダーを取り払い、ショーや写真を使った表現活動、環境教育などを行って話題になる。また、一ヵ月90食寿司を食べ続けるブログや世界の美容室で髪の毛を切るエッセイなど独特な体験を元にした執筆活動多数。岐阜の生家の除草用にヤギを飼い始めたことから、ヤギプロジェクト発足。ヤギマニアになりつつある。

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