2011-10-6
靴のお話
「いい靴はあなたを幸せなところへ連れて行ってくれる。だからどんなにケチでも貧乏になったとしても、靴だけはいい物を履きなさい。」というのがおばあちゃんの遺言だった。以来、靴を新しくするたびにこの話を思い出す。私の靴選びのルール。
あたらしい靴を選ぶとき、どのように選びますか？値段で選ぶ、デザインで選ぶ、ブランドで選ぶ、人それぞれ選ぶ基準、一つのルールみたいな物がある。私は、靴とは出会う物だと思っています。漠然としたイメージだけを持ち靴を探しに行く。そうしているうちに選んでいるのではなく、靴に出会う気がする。
今まで何足の靴を履いてきたのだろう。数えきれないだけの靴、ここ数年は、３足くらいの靴しか持たない様にしている。スニーカー一足、革靴一足、サンダル一足。リーボック、リーガル、オークリー、どの靴も気に入って履いているが、今年は特にスニーカーとサンダルを良く履く年だったのか、スニーカーが一番へたってきていた。そんなときスニーカーに出会った。パチョッティのスニーカー。1948年に創立したイタリアのシューズブランド。私が気に入ったのはパチョッティが2005年より始めたカジュアルラインのフォー・アス（４US）シリーズの一足。知人に誘われて何気なく訪れた催事のシューズコーナーで一目惚れ。
今のリーガルの前のカルバンクラインの革靴は、当時付き合っていた彼女からプレゼントされた物だった。３０歳を迎えた私を、イギリス、フランス、そしてアメリカへと連れて行ってくれた。
パチョッティの故郷はイタリア。地中海を臨むブーツ型の国。一度も訪れたことがない。私の新しいスニーカーは私とどこへ行くのだろうと今からわくわくする。
こうして今までの靴を思い出してみると、私は靴をブランドで選んでいる傾向がある様に感じてくる。ただ、いい靴は疲れにくく、歩きやすい。ブランド、特にシューズブランドはデザインだけでなく履く人のことまで考えられて作られているのだろう。安かろう悪かろうではとても幸せの方向へ導いてくれそうにはない。私が勝手に決めたルールに従って、多くの靴に出会ってきた。今、幸せに日々全力で暮らせている私は、いままで履いてきた靴すべてのおかげかもしれない。
あの日、おばあちゃんの遺言の話をラジオで聞いて以来、靴を買うときは、一番気に入った物に出会ったときと決めています。
自分の意志と靴の魔法が私を幸せな方向へ連れて行ってくれると信じて。
私の祖母は北海道で元気にしております。近いうちに会いに行きたくなりました。新しく私のところにきたパチョッティを履いて。
コメントはまだありません
まだコメントはありません。よろしければひとことどうぞ！
コメントする ※すべて必須項目です。投稿されたコメントは運営者の承認後に公開されます。