2011-10-20
Crow
「カーラースー、何故なくの〜、カラスの勝手でしょ、かーかー。」
石巻で気がついたこと。カラスがすくない。ほとんど目にしない。
東京都内では一時期カラス問題が大々的に論じられ、駆除を進めた区もあった。都内でのカラスを目にする機会は昔より減った気がする。以前はカラスが敵と見なした人の頭を蹴ったり、攻撃を加える被害や、餌としてゴミをあさり回収業者を困らせていた。
私が拓大のコーチ在任中、カラスがグラウンド横にあるナイターの照明の中に巣を作った。繁殖期の彼らはかなり攻撃的で、練習前、準備にくる私を常に威嚇して襲ってきた。カラスはでかい。そして攻撃的である。
八千代台では都内のように駆除がされていない。多い。しかも、ふてぶてしい。森があるところにいるらしい。夕方、私の自宅から見えるゴルフ場方面の送電線の鉄塔と電線が黒く染まる。私は八千代台でも練習場の植木に巣を作っていたカラスに威嚇される。
石巻ではカラスが生きて行ける環境がないのだろうかと思った。大きな震災があり、動物がそれをさける様に移動していったのか。そういえば、ニュージーランドに住んでいたときニュージーランドにカラスが生息していないことに気がつかなかった。オーストラリアにはいるのに。
カラスにはいくつもの神話、逸話が世界中に残る。日本の八咫烏(ヤタガラス)。サッカーの日本代表のエンブレムにもなる八咫烏。イギリスのアーサー王の化身であるという話、ケルト神話。ギリシャ神話には今のカラスの姿になったいきさつのような太陽神アポロンとのやり取りの話が残されている。
歴史のあるところには、カラスがおり、人間と共存、反映してきたのかもしれない。日本が繁栄、発展して行った高度成長期とともにカラスも繁殖、増殖して行ったのかもしれない。まるで人間の欲望に比例するかの様に。
ニュージーランドは原住民と呼ばれるマオリ族の後に移民してきた白人社会が発展したのはほんの300年ほど前。イギリスの植民地をへて独立したのは1907年と100年ちょっとの歴史しかない。
歴史がないからカラスがいない。
そんなことをふとカラスを見ながら思った。八千代台にも歴史があるのだろうか。日本で初めて団地、分譲住宅地ができた地らしい。
まったくもって人間が身勝手に発展してきた町をカラスたちは遊び場の様に思っているのかもしれない。そして子供たちと一緒に鳴きながら帰って行くのかもしれない。「カラスが鳴いたから帰ろー。」という子供の声を近所で聞くこともすくなくなった。
石巻の新しい歴史とともにカラスの歌を耳にする日が早く来てほしいと願う。
私はカラスは苦手であるが。
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