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カーペディエム~今日の花を摘め~

2012-06-15
HAKA

ラグビーのニュージーランド代表の事を「オールブラックス」と呼ぶ。名前の由来には諸説があるが、上下ともに真っ黒なユニフォームに身を包んでいる事からと、15人のプレーヤーが全員「バックス(ボールを持ち走り回るプレーヤー)」の様に動き回る様をもじり「バックス→ブラックス」、誰からともなく「オールブラックス」と呼ばれる様になったと言われている。

ラグビーの強豪国と言えば、南半球の3カ国、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ。北半球はイングランド、アイルランド、ウェールズ、スコットランド、フランスと並ぶ。これら、国(ラグビーではユニオンを単位としている)同士の代表チームの対戦をテストマッチと呼ぶ。

「がんばって、がんばって。」というフレーズで有名になったコマーシャルを覚えていますでしょうか。

ニュージーランドの先住民、マオリ族。彼らはポリネジアンの流れをくみ、ハワイ諸島当たりから鯨に乗ってニュージーランへ渡ってきたと言われている彼らの文化に「ハカ」と呼ばれる踊りがある。

日本でいう、盆踊りや、よさこい、地域の祭りや、行事ごとに行われる踊りのようなものと捉えたらよいのであろうか、マオリも地域ごとに部族がことなり、部族ごとにそれぞれ「ハカ」が存在している。

その「ハカ」のなかで最も有名な「ハカ」が「カマテ・ハカ」と呼ばれる、ラグビーニュージーランド代表オールブラックスがテストマッチの際、試合開始の前に舞う「ハカ」である。

「カマテ、カマテ、カオラ、カオラ、カマテ、カマテ、カオラ、カオラ・・・」

その名の通り「カマテ」というマオリ語から始まる。

英語では「ウォークライ(戦いの叫び)」と呼ばれているほどの「カマテ・ハカ」の内容は、死と生を目の前にしながらそれでもまた太陽を見る、生きる。ということをマオリ語で綴られている。

「テェネタナタ、プフルフル、ナーナ、イティキ、ファカフィティテラ・・・」

テストマッチという国を代表した試合の前に、相手を威嚇する「ハカ」を舞うオールブラックスの姿は圧巻である。そして感動さえ覚える。ニュージーランドにいたときにスタジアムで2度、ライブで「ハカ」を見た事があるが、もし試合前にあの「ハカ」を見せつけられてしまったらとドキドキしてしまうほどの迫力があった。

「ア、ウパネ、ア、フパネ、ア、ウパネ、カフパネ、フィティテラ!!!」

「がんばって、がんばって、・・・」たしか栄養ドリンクのコマーシャルだったと思うが、今思えばあまりにも軽率なパロディーを作りすぎたのではないかと思い出した。

海外の人が、日本人をみて「四股」のまねをしながら「SUMO」といってるのをみて、私はあまりいい気がしなかった様な気がした。

近々、私はプロ総合格闘家の後輩のリング入場の為に「カマテ・ハカ」を舞う。リングに立つ後輩のために。

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西山淳哉(にしやん)
西山淳哉(にしやん)

15人制ラグビーというスポーツの中でもプレー人数もルールも多い競技をプレーしながら、試合後のビールが大好物。寂しがり屋の一人が好き、人見知りの出会い好き、矛盾した天の邪鬼。思考し迷走する企業チーム所属プロラグビー選手。独身。石巻に支援活動を展開中。

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