2012-02-23
パスポート
海外に旅行に行くときに必要になる、パスポート。国によって色も格付けも違ってくるが、日本国 のパスポートは有効期間によって、濃い赤色の物と、紺色の二種類がある。世界的に見ても申請のいらない観光ビザでほとんどの国に入国できるという事はその信用性は高いのであろう。
私は中学生の頃に初めて海外へ行かせてもらった。その時は紺色のパスポートであった。大学生のときにニュージーランドへ行くにあたって新しく10年のパスポート、濃い赤色のパスポートを手に入れた。そのパスポートをもって、いろんな国に行き、いろんな国の入出国スタンプを押してもらっている。今年がそのパスポートの期限の最後の年だ。
3度目のニュージーランドに渡った時の事、3度目という事もあり、少し英語も話せる様になってきて余裕もあり油断もしていた。ニュージーランドのオークランド空港に着いて、入国管理でパスポートを提示し入国して、日本円を換金しに換金所に向かった。
パスポートがない。
換金所で身分証の提示を求められるが、さっきまであったはずのパスポートが見当たらない。見あたらないな、と探していると、換金所のおねぇさんは、いいわよーと換金してくれた。換金後も少し困ったなと思ったが、換金できたのだからいいかと思ってしまう私もいた。が、良くない、良くない。
日本国内の事ではないので、唯一私の身分を証明できるのがパスポートになってしまう。また後で探せばいいとも思ったが、やはり紛失物届け所に行ってからにしてみようと思い向かったところ、すぐに届けられていた。入管のデスクに置いてきていたらしい。良く入国できた物だと思った。
その人の身分を証明する物にはいろんな物がある。自動車の運転免許証、健康保険証、住基ネット登録証、社員証などなど。しかしそのほとんどが国ごとに統一されておらず、通用もしない。身分を証明できるとは言うが、本当のその人の事などわからない。こういう者ですと手渡される名刺も一緒。誰でも簡単に作る事ができる。
では、パスポートは特別なのであろうか。万国共通の旅券。日本人は二重国籍を認められていないが、二カ国のパスポートをもっている外国人も良く見かける。特に移民で成り立っているニュージーランドのような国では多い。
身分証明。
言葉の鍊金術師の異名をとった寺山修司さんが本業を問われて「僕の職業は寺山修司です。」と答えた。
自分自身と向き合い、自分自身を知る。一番難しい事だと思うけれど、それが一番の身分証明になるのではないかと思わされる言葉だと思う。
来年には新しいパスポートになる。私の新しい旅券は私とどこに行くのであろう。そして方々で私の身分を証明し続けてくれるだろう。なくさない様に気をつけようと思う。
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