salitoté(さりとて) 歩きながら考える、大人の道草ウェブマガジン

そらのうみをみていたら。

2010-09-24
イチロー選手の偉業は「好きだから」できること?

イチロー選手が10年連続200本安打を達成した。

「200安打が簡単ではないことは僕が一番知っている」とコメントがあったが、ほんとうにその通りで、その苦労たるや、想像することすら難しい。

私は約10年ほど、アスリート選手にインタビューをする機会に恵まれた。

オリンピックのメダリストをはじめ、世界でトップを競ってきた方たちだが、実際にお会いすると、さわやかで、ほんとにいい人ばかり。

つまり、、、誤解を恐れずにいうと、「普通オーラ」なのだ。

では、なにが違うのか? どうして世界一になれるのか? どんな能力があればいいのか?「たった1時間ぐらいの取材で、なにがわかる?」と自分に言い訳しながらも、そこにあるはずの、得体の知れない人間の威力を知りたくて、質問を投げかけた。

共通することがいくつかあった。

* 自分に負けたくない。
* 自分を表現する一番の手段。
* つらいことも好きだから乗り越え、続けられる。

どれも、非常によくわかる…。気がする。

でも、どうも、腑に落ちないのだ。

それはそうかもしれないけど、半端ない努力。カラダひとつで、肉体の限界、精神の限界、プレッシャーをどうやって、乗り越えていくのか。

そうして改めて聞くと、
やはり、「好きだし、これしかないから」という。

「好き」だけで、そんなに自分を上げられるものなのか?

そういえば、スティーブ・ジョブスもかの有名なスピーチ
「素晴らしい仕事をしたいと思うなら進むべき道はただ一つ、
好きなことを仕事にすること」と言っている。

もしかして、これは健康の秘訣と同じなのかもしれない。

健康志向の現代では、商業意図や人の気をひきたい思いがあるから、「○○がカラダにいい」とこぞって目立ったインパクトのあるものをブームにしたがる。

けれど、良識ある栄養の先生にお話をうかがうと、結局のところ、「規則正しく、バランスのいい食事と運動を心がける」ことがすべてなのだ。

そんなことで!!!???
と思ってしまうけど、この一見、つまらない、当たり前にみえる「規則正しくバランスよく」がどれだけ難しいか。はっきりいって、「難しい」という意識がないから、健康もダイエットもなかなか達成できないのだろうと私は思っている。

かなり話がずれてしまったかもしれないが、
つまり、言いたかったのは、こういうこと。

「好きなこと」を見つけること、「好きなこと」を続けること、
それほど「好き」になることは、非常に難しいことなのかもしれない。

「好きなこと」を知っている気になっているから、それだけでいいのか?と思ってしまうけれど、私の「好きなこと」は今、自分の「現状」なのだろう。

どこまで好きなことができるのか、どこまで好きになれるのか、
やっぱり自分に問いかけるしかないのか、な?

他人にどう見られるか、が勝負ではなくて自分次第だから、
普通な感じに見えるだけなのか、な?

おーちゅん。のブログにあった「熱狂」できることと、
「好きなこと」をやること、も違うのだろうなあ。

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魚見幸代
魚見幸代

うおみ・ゆきよ/編集者。愛媛県出身。神奈川県在住。大阪府立大学卒業後、実家の料理屋『季節料理 魚吉』を手伝い、その後渡豪し、ダイビングインストラクターに。帰国後、バイトを経て編集プロダクションへ。1999年独立し有限会社スカイブルー設立。数年前よりハワイ文化に興味をもち、ロミロミやフラを学ぶ。『漁師の食卓』(ポプラ社)

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