salitoté(さりとて) 歩きながら考える、大人の道草ウェブマガジン

そらのうみをみていたら。

2011-03-14
ご近所づきあい

引っ越しが多いこともあってか、ご近所づきあいはほとんどない。きっと家族がいれば、必然的であるはずだけど、ひとり暮らしではつきあう必要がない、というのがおもな理由。気の合う仕事仲間や趣味友だちがいれば、それなりに楽しくやっていける。

新しい街に引っ越して1週間。街もお店も見慣れない風景での買い物や散歩は新鮮さもあるが、心もとなさも伴う。そこに今回の地震…。

不安を抱えながらいつものように愛犬ラクと散歩をしていると、洗車をしているおばさんがいた。ラクに声をかけてくれて「うちにも柴犬がいるのよ」と頭をなでてくれた。

毎日通るコースの中華料理やのおじさんは「なんでも食べるの?」といって、鶏の軟骨をくれる。

ラクと歩いていると、これまでの街でも、こんな風に声をかけてくれる人たちはいた。でも、ご近所づきあいというほどの距離感ではなかった。

引っ越して早々に見つけた、お気に入りのパン屋さんがある。ご夫婦で営まれていて朝の6時から営業している。朝の散歩で買いにいくと「おはようございます!」と元気な声であいさつをしてくれる。そこで、次に行ったときはお店のドアを開けるときにこちらから「おはようございま〜す」と言ってみた。ご夫婦は「また来てくれたね」という顔をして迎えてくれた。

ネットでたくさんの、遠くの人たちやご縁のある人たちとつながる喜びを重ねるとともに、これからはもっと、ご近所の人たちとのおつき合いを深めていきたいと思う。それには、小さい頃から言われていたけれど、本当に挨拶が大事なんだと実感している。自分から心を開くコミュニケーションのもっとも有効なツールである(それっぽい言い方…だけど)。

生の声や空気をかわすことで、からだとこころがほぐれることを、この数日で痛い程あじわったから。

みなさまに、一日も早く平穏無事な日々が戻りますように。


ラクの祈り…!?

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魚見幸代
魚見幸代

うおみ・ゆきよ/編集者。愛媛県出身。神奈川県在住。大阪府立大学卒業後、実家の料理屋『季節料理 魚吉』を手伝い、その後渡豪し、ダイビングインストラクターに。帰国後、バイトを経て編集プロダクションへ。1999年独立し有限会社スカイブルー設立。数年前よりハワイ文化に興味をもち、ロミロミやフラを学ぶ。『漁師の食卓』(ポプラ社)

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