2012-04-8
「それでも旅のモチベーションが下がったら」
元々、気分屋である。モチベーションが上がっている時は人の迷惑を顧みず、とことん突き進むが、下がっている時には全く何もしない。僕は会社勤めをしているわけではないので、モチベーションが下がった時は逆らうことなく家でうだうだしていることも多く、引き籠り気味になる。会社勤めの友人は
「多少、下がったくらいだったら、会社に無理矢理にでも行っちゃった方が、人と会話してモチベーションがあがるからいいんだよね」
と言う。確かに人と会話するというのは、エネルギーを循環し、自分の沈んでいるモチベーションを掻き混ぜるのであろう。
しかし、海外の一人旅だとその会話が、なかなかできない。しかもプノンペンに来る前にいたバリ島のウブドで、現地在住の友人ができ、毎日、日本語で会話をして笑い転げていた。その後遺症もあるのかその反動で、祭りの後のような脱力感が襲い、次の街でモチベーションが下がっている。旅の間は基本的にモチベーションが下がらないはずだが、珍しく散歩していても、どこかワクワク感が足りない。それは写真から判断できる。写した写真からわかればいいが、残念ながら写真が下手な僕ではそれは無理で、シャッターを押した回数でしか測れない。通常、海外の散歩中であれば一日にたいてい200枚程度は撮っていて多い時などは400枚近く撮っていることもある。それがこの街に来た初日は30枚程度しか撮っていない。あれも撮りたい、これも撮りたいとなるはずなのに、その気持ちが全く湧いてこないのである。たいてい散歩に出掛けると休憩をはさんで四,五時間はすぐに経ってしまうが、プノンペン散歩では二時間程度でホテルに戻ってきてしまう。
部屋のソファに座って、テレビをつける。日本語放送が入るということもあるが、モチベーションが下がっている時はいくらでもテレビを観ていられる。三時間なんてあっという間。同じようなニュースを何度も観ている。パソコンを立ち上げ、雑文でも書こうかなぁとするのだが、ワードの画面に文字は打ち込まれず、いつしかネットサーフィンをしている。テレビもあっという間だが、ネットもあっという間に三時間過ぎてしまう。どちらも目は疲れるので、疲れた目を休ませようとベッドの上にダイブする。そして、そのまま眠りに落ちる。平気で一日十時間以上眠っている。そんな日々が三日続いた。典型的な引き籠り、旅中なので旅籠り。旅の疲れが出てきているのかもしれないしと自分の行動を肯定しようとする。意識してそうしているのではなく、完全に流されているだけなのでこれは何か考えないといけない。
四日目の朝、カメラも持たずにホテルの近くへふらりと散歩に出た。いつも朝食はホテルで取っていたが街の屋台で朝飯を食べることにした。たったこれだけのことなのだが、朝の街の活気をもらったのか、急にモチベーションが上がってきた。意外なところに、また簡単なところに、こういった解決の糸口になることもある。
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