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イシコの歩行旅行、歩考旅行、歩行旅考、歩考旅考

2011-05-8
「自分だけの5つ星ホテルを探す」

5つ星や4つ星など星を目安にすればホテルの快適度はたいてい推し量ることができる。言うまでもなく星や値段に比例して快適度は増す。しかし、安い値段で快適なホテルを探すというのも面白いものである。若い頃なら快適じゃなくても寝られればオッケーなのだろうが、40歳も超えるとさすがに多少は快適さを求めるようになる。

ネットサーフィンで見つけた一泊12ドル(約1200円)の安宿を予約してみた。掲載されている部屋の写真をチェックしてきれいだったのだが、ひょっとすると何十年も前の写真ということもあるかもしれない。だから一泊だけにしたのである。気に入ればそのまま延泊し、気に入らなければ別のホテルに移動しようと思っていた。

元々、ヤンゴンのホテルは全体的に値段が安い。ガイドブックには正規の値段で200ドルや300ドルと書いてある高級ホテルも、ホテル専門の予約サイトを利用すれば、老舗の「ストランドホテル」を除いては一泊100ドル程度で宿泊できることも多い。しかし、それでも100ドルと12ドルでは天と地の価格差である。

さて今回、宿泊した一泊12ドルのホテルがどの程度か。まず空港まで有料(ガソリンの高騰で4ドルだったが、以前は無料だったらしい)だが迎えに来てくれる。これはポイントが高い。陽が暮れた空港に降り立ったとき、ホテルまでの足(送迎)が確保されていること程、安心することはない。もちろんタクシーの交渉から旅は始まり、その日宿泊するホテル探しが旅の醍醐味だとおっしゃる方には僕のような旅の仕方は物足りないだろう。それはそれでいいと思う。旅は人それぞれだし、正解、不正解なんて誰が決めるわけでもない。

部屋は日本のビジネスホテルより少し広い程度。決して日当たりがいいわけではないが窓も大きい。ダブルベッド、エアコン、テレビ、書き物用の机があり、バスタブはないがお湯も出るシャワーとトイレルームもついている。古い建物ではあるが、中は手入れが行き届いており、何より驚くのが清潔なことである。ホテル評論家が階段の隅の埃をチェックするという話をホテルのスタッフから聞いたことがあるが、このホテルに関しては、その点はクリアできそうだ。

コーヒーか紅茶、トースト、卵料理、アーモンドのホットケーキ、パパイヤ、バナナと充分すぎるくらいの量の朝食もついている。

12ドルという値段から期待していなかったが、ベッドメイキングと掃除も毎日、入ってくれる。ランドリーサービスもある。もちろん有料だがTシャツ一枚が20円程度と日本人からすれば格安の値段で、高級ホテルではできないこともあるアンダーウェアや靴下の洗濯までお願いできる。パンツや靴下くらい毎日、シャワーを浴びる際に洗って干すだけなのだが面倒臭がりの僕のような者にとっては、まとめて出せることは嬉しい。

自分だけの5つ星ホテルである。結局、このホテルに1週間も滞在していた。挙句に、「1週間も、この街で何しているの?もっと他の街に行けばいいのに」とフロントのお兄さん達に声をかけられる始末である。

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ishiko
ishiko

イシコ。1968年岐阜県生まれ。女性ファッション誌、WEBマガジン編集長を経て、2002年(有)ホワイトマンプロジェクト設立。50名近いメンバーが顔を白塗りにすることでさまざまなボーダーを取り払い、ショーや写真を使った表現活動、環境教育などを行って話題になる。また、一ヵ月90食寿司を食べ続けるブログや世界の美容室で髪の毛を切るエッセイなど独特な体験を元にした執筆活動多数。岐阜の生家の除草用にヤギを飼い始めたことから、ヤギプロジェクト発足。ヤギマニアになりつつある。

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