2011-09-8
カーペディエム
ホラティウスの詩の一説に出てくるラテン語の言葉。「今日を摘め」とか「今日の花を摘め」と訳される。今日という日を無駄にしないという意味から、いまを生きるという意味で使われる事もある。(*カルペディエムともいう。私にはカーペディエムと聞こえた)
ロビンウィリアムス主演の映画「Dead poets society」の中で、教師役のロビンウィリアムスふんするキーティングがCarpe Diem(カーペディエム)という言葉を発している事から邦題は「いまを生きる」となっている。
私がこの言葉と出会ったのは19歳の夏。
名古屋で高校を卒業した私は両親が東京に引っ越した先に、浪人生という立場でくっついてくる事になった。高校三年間ラグビーばかりに没頭し、ろくに勉強しなかったため、進学できる大学もなく選択肢はなかった結果だった。代々木の代々木ゼミナールに通い、ちょっとだけ体格の良いどこにでもいそうな浪人生。当時はやりだった(私の中で、そして今は私の中のブームはすぎてしまった)クロムハーツやらのシルバーアクセサリーを好きな、名古屋から出てきたばかりの田舎者。
夏のある日、夏期講習の帰りだったと思う。実家の千歳船橋と代々木の間にはついつい寄り道したくなる街、下北沢がある。19歳の私にはあのごちゃごちゃした街並みがとても魅力的だったと記憶している。もちろんいまでも魅力的な街だが。
小田急線下北沢駅南口の階段をおりてすぐ、アクセサリーを売る日本語の上手な外国人の路商がいた。何気なく商品をみていると、何やら文字が刻まれたシルバーの指輪が目に飛び込んできた。縦に2列に刻まれた文字はcarpe diemと刻まれており、英語が苦手な浪人生の私には、またわからない単語だと思った。
「いいでしょ、お兄さん、これ。」流暢な日本語で路商の外国人が話しかけてきた。「カーペディエム。いまを生きるって意味だよ。ラテン語だよ」
いまを生きる。
19歳の私にはその瞬間瞬間を無駄にしない様に生きるなんて難しい事はわからなかったと思うが、カーペディエムという語音の響きと「いまを生きる」という意味が気に入ったのは覚えている。
あれから13年、一昨年から東京に戻ってきた私は、時々下北沢を訪れる。いまでは路商がいる事はないが、いまでも南口をでると思い出す。
あの夏であった言葉、カーペディエムのおかげでいまの自分がいる。いまを生きる。その積み重ねがあるから未来がある。そして過去も。私には困難にぶつかったとき唱える呪文のような存在の言葉にいつの間にかなっていた。
カーペディエム
2件のコメント
昔、「たんく」と言うニックネームの友達に聞いたことがあります。
カーペディエム。
素敵な言葉です。
今朝、たまたまチャンネルを替えたら、西山さんが出ていました。
素晴らしい活動をしてらっしゃるのですね。
陰ながら、応援しています。
私は現在、2児の母です。
子供の笑顔を見ていたいから、今を生きる。
まめ
こめんとありがとう。
このブログを読んでくれているなんて!
二人も子供がいるんやね、すごい。
いつか会いたいなー。
応援ありがとう、これからもがんばりますよ!
たんく
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