salitoté(さりとて) 歩きながら考える、大人の道草ウェブマガジン

そらのうみをみていたら。

2011-06-23
自然写真家・高砂淳二さん
「Children of the Rainbow」2

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現在、東京ミッドタウン・フジフィルムスクエアでハワイの集大成的な「想像より、おもしろい。ハワイ」展を開催中の高砂淳二さん。

まるでこちらに向かって微笑んでくれているような動物の表情や、丸い虹、夜の虹など、どうしたらこんなにたくさんの奇跡に出会えるのだろう。

「なにがあっても諦めないぞ!っていう気持ちはあるね。冷静にこの物質の社会でできることを最大限にひたむきにがんばるしかない。例えば、火山を観に行ってある程度の写真が撮れた。でもあと1日残ってる。そういうときに、今日はよく頑張ったし、まあビールでも飲むか、というのはなかなかできないね。明日あそこに行ったら、もっと違うシーンに出会うかもしれないって思うと、無駄にしたくない。けっこうしつこくて、頑固だよ(笑)。出会うときは出会うさ、なんていってこたつに入っていたらやっぱり出会わないよね。」

私なら間違いなく、ビールを飲んでしまう…。でも、運はあきらめずに自分でつかみにいくものなのだということが、よく理解できる。

写真が好きで、一生できたら楽しいだろうなと思って、プロカメラマンの道を選んだ高砂さん。今あらためて、写真を撮るということは学習の道だという。

不思議な自然の現象や動物の世界をみて、先住ハワイアンをはじめいろんな人たちに自分とのつながりについて話をきいた。それを確かめながら、撮影をしていくと「ほんとにそうかもね」と思う体験をいくつも重ねた。ますます自分の中での理解が広がり、それは撮影のことだけでなく、食べることや生き方にも影響していった。

「なるべくそのときそのときをちゃんと生きないと、って思うね。撮影のときだけでなく、普段の日でも、会った人、見た花や虫など「お!」ってみつける気持ちがあって、それらの良さもちゃんと感じられるようにいたい。感じるものがあれば、まったく違う1日になるんだよね。心にフタをしてしまうと、どれともつながれない。縁や空気、いろんなものを自分のように思ってつながってコミニュケーションする。そういうのを積み重ねた人生でありたいね。」

最後に、運をつかみとる高砂さんに、不運だと思ったことはあるかを尋ねてみた。

「僕のまゆげって尻上がりになってるのね。それで子供の頃、近所のおばちゃんに「眉毛が上がっている人は出世する」って言われて、それが嫌でさ。人前で話すののか嫌いだったし、出世して総理大臣になったらどうしようって(笑)。あと、22歳の頃に髪の毛が禿げだしたんだよね。22歳まではふさふさあったんだよ。親父もおじいさんも両方そうだから、ああ、家系だと思ったけど、22歳だとまさかと思うじゃない。そのときも不運だと思ったかなあ」

写真展期間中、高砂さんは、連日会場にいらっしゃるそうです! 

<INFORMATION>
「想像より、おもしろい。ハワイ」展  
~自然写真家 高砂淳二が伝えるハワイ~

期 間 6月17日(金)~6月29日(水)
場 所 東京港区ミッドタウン・フジフイルムスクエア

ご意見・ご感想など、下記よりお気軽にお寄せ下さい。

1件のコメント

昨日行ってきました!沢山の人で賑わっていましたよ。
ご本人もいらっしゃり、写真集を購入された方にサインをしたり挨拶されたりしていました。
高砂さんの瞳は、ハワイの自然そのもののような、とても穏やかで優しい光を放っていました。(なかなか東京であのような瞳には出会いません(笑))
写真に見とれる沢山の人達の表情が、少しずつ優しくなっていくような気がして、作品の持つ不思議な力に心打たれました。

by anakingman - 2011/06/26 1:09 AM

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魚見幸代
魚見幸代

うおみ・ゆきよ/編集者。愛媛県出身。神奈川県在住。大阪府立大学卒業後、実家の料理屋『季節料理 魚吉』を手伝い、その後渡豪し、ダイビングインストラクターに。帰国後、バイトを経て編集プロダクションへ。1999年独立し有限会社スカイブルー設立。数年前よりハワイ文化に興味をもち、ロミロミやフラを学ぶ。『漁師の食卓』(ポプラ社)

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