2014-05-25
フォトジェニックになりたい
気づけば5月も、もう終わり。この梅雨の前の暑い、そしてまだ爽やかな感じが好きだ。世の中の人がちょっと浮かれていて、次に来る未来のことなんて考えなくてもいいかなぁ、なんて思ってしまいそうな、緩んだ季節。最近は毎週、山や緑の深い小径に分け入って、木漏れ日の中で写真を撮ったり撮られたりしている。
実は写真を撮られることにすごくコンプレックスがある。人から見れば気にならないことでも、自分のことは一番、自分が厳しいジャッジをする。写真の中の自分をなかなか好きになれないのである。
鎌倉のカフェterre verteのオーナー美雪ちゃんが、「麻子さんにモデルをやってほしい」とその新たな扉を叩いてくれたのは、まだ寒さが残る季節だった。写真に苦手意識はあるもの、私にだって「かわいく撮られたい」という願望はある。かつ、人前に姿をさらすパフォーマーとして、自分の立ち居振る舞いに責任が持てないのはいかがなものかという常日頃の自戒の思いから、私は「やってみたい」と返事をした。ところがその時はスケジュールが合わずに、機会は水に流れてしまった。
それから桜の季節が過ぎた頃、美雪ちゃんはもう一度、新しいカタログの写真を撮るからと、私にモデルのお仕事をオファーしてくれた。あの時と思いは変わっていなかった。「やってみたい」。2つ返事でメールを返した。
撮影の日は気持ちの良いお天気だった。朝7時に鎌倉のとあるお寺に集合。集まったのはhisaco textileのデザイナー多賀谷伊佐ちゃんと、美雪ちゃん、そして、若きカメラマン原田教正くんと私の4人。小さなクルーははじめましての挨拶もそこそこに、撮影をスタートした。
まずはアウトドアでお着替え!(笑)伊佐ちゃんと美雪ちゃんが囲んでくれた布の壁の中で、伊佐ちゃんの作ったワンピースへと衣装チェンジをした。今回のシリーズのテーマは「comorebi」。実は美雪ちゃんが生地に「木漏れ日」をイメージしたペイントを施し、その生地を使って伊佐ちゃんがお洋服を作っている。少し硬質で真っ白な外側の生地と、柔らかくて浅葱色をした内側の生地のコントランストがとってもキレイなワンピース。みんなの前に姿を表すと、「かわいい」「ステキ」と声があがった。
撮影が始まったら「私なんて」とか、「写真は苦手」という言葉は一切口にしないように、そんな考えを浮かべないように、ということだけは決めていた。「私はできる!」と、無理矢理イメージするわけでもなく、ただキラキラとした朝の木漏れ日が心地よくて、写真を撮られる状況を楽めだ。みんなが「かわいい」と乗せてくれる言葉に素直に従いながら。
カメラマンの原田くんはまだ若いのに、指示がとっても明確で、サクサクとカットをこなしていった。みんなが積極的に気兼ねなく意見を出し合って、撮影はスムーズにすすんで行った。
原田くんは人を撮るのがとっても楽しそうだった。音楽でもそうだけれど、チームの参加者が楽しそうであるということは、周りに良い影響を及ぼす。お互いが良い仕事をし、良い音が響き合う。その撮影は、そんな感じの心地よいセッションだった。「写真が苦手」というスイッチはこの日を境に切り替わったように思う。
撮影の出来映えはこちらから見る事ができます。
hisacoは2014年6月14日から18日に「comorebi」シリーズの展示会を開催します。会場は、鎌倉のYukkohanという庭先のかわいいお弁当屋さん。木漏れ日がテーマだから木漏れ日を浴びながら展示会をするという徹底ぶりがまた、伊佐ちゃんの思いを物語っている。
※シリーズ「大人の日本史」は、また別の機会に送りします。お楽しみに。
【ライブ情報】
The Cloudtails
◎2014年6月22日(日)名古屋クリエーターズマーケット
@ポートメッセ名古屋
吉廣麻子ソロ
◎2014年6月14日(土)下北沢SEED SHIP
◎2014年7月10日(木)吉廣麻子Birthday Live
@自由が丘hyphen
◎7月31日(木)今池Tokuzo
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