2012-06-30
紫陽花の月〜鎌倉、長谷寺へショートトリップ
いつも6月になると、相方が「紫陽花を見に行こう」と言う。それで、頃合いをみはからって、鎌倉へのショートトリップの計画を立てる。普段、花にはあまり興味がないのに、「お寺に紫陽花を見に行く」ということが彼にとっては特別な行事の一つらしいのだ。
ある晴れた木曜日、向った先は鎌倉の長谷寺だ。受付で拝観料を納めると、「あじさいは45分待ちです」と言われる。一瞬ひるんだが、時間はたっぷりある。多分この時期はいつでも同じなのだろうとあきらめ、境内で待つことにした。
(散策路の入り口にある待ち合い掲示板)
長谷寺を訪れたのは二度目だが、どんなものがあったのか、すっかり記憶から消え去っていた。案内図を確かめ、まずは下境内の弁天窟へ向うことにする。そこにはなんと、弘法大使が作ったと言われる弁財天があり、出世弁財天としての信仰を集めている。その弁財天の従者として、窟内壁面には十六童子が掘られていた。
洞窟というものに憧れがあるのに、実際入ると少々パニック状態になるのがいつもの私だが、この日は洞窟を怖いと感じることがなく、むしろ、人生で初めて「仏像は美しいな」と感じるほどだった。表情もさることながら、その神々たちが手に持っているもの、衣装、背景などなど、その神が何を表しているかがデザインされた童子達が、何とも愛らしい。
洞窟を出て、次は上境内の、ご本尊を祀る観音堂へ。
ここにはなんと、9.18メートルの巨大な長谷観音が祀られている。湘南の海を見渡すこの山の上に、この大きな観音像を祀ろうと考える人々の心。自然への畏怖か、支配の象徴か。黄金に輝くその美しい姿にを見上げながら、そんなことを考え、思わずほーっとため息をついた。
(散策路入り口の仏像もあじさいを抱えて参拝客を出迎える)
お堂を出ると、順番を待って、いよいよあじさいの散策路へ。
散策路はずーっと人の長い列が続いていたけれど、さほど窮屈感はないく、参拝客は色とりどりのあじさいを堪能しながら、思い思いに写真を撮ったり話をしたりしながら、ゆっくり小径を進んで行く。
散策路で前にいた60歳前後の女性2人連れが、交互に写真を撮るのを見て、思わず「一緒に撮りましょうか?」と声をかけた。普段、あまり人物の写真は撮らないが、近頃、写真をなんでも残した方がいいなぁと思うようになった。できれば、一人よりも、誰かと一緒に映っている写真がいい。あとで見返して、色んなことを思うだろう。
2人連れのおばさまはとても喜んで、素敵な笑顔を見せてくれた。
散策路を出て、見晴し台で一服。材木座方面を見下ろしながら、鎌倉をたっぷり味わった。
書ききれなかったけれど、長谷寺は見所満載で、他にも大黒様がいたり、般若心経の文字を一人、一文字書く石があったり、お経が納められた美しい回転式書架があったり、なかなか楽しめるお寺でオススメ。
さて、6月も今日で終り。夏が待ち遠しいけれど、紫陽花の季節はもう少し続きそう。北鎌倉の明月院ではこの時期、「明月院ブルー」と言われる独特の深い青色をしたあじさいが楽しめるそうなので、出かけてみては?
ちなみに、タイトルの「紫陽花の月」は、BE THE VOICEの曲のタイトル。ボーカルの純子さんが産まれた6月の事を歌った、ノスタルジックな世界観が胸をせつなくさせる。
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