2011-05-26
車のハンドル操作にみる身体の理屈
ハンドル操作は深い。
両手でハンドルを握っているということが前提です。
ハンドルを右に回すとき、大きく分けて3つのやり方が存在します。
①左手で上方向に回す。
②右手を下方向に回す。
つまり、右手が左手かどちらかを使うということです。
もう一つあります。
③、①と②を同時に行う。つまり、左手は上方向に、右手は下方向にタイミングを合わせて回します。
③の場合、驚くほど軽くハンドルが回ります。
単純に考えて、ハンドルを回す力が100必要だとすると、左右使えば、50×2という力の分散になりますが、ここが面白いところで、左右どちらかを使った場合の力の感覚スケールを100だとすると、左右同時に使うと、半分の50ではなく、30にも20にもなります。実際の力の分散以上の軽さを感じることができます。
同じ力が必要でも、使い方一つで感覚が劇的に変化するのが人間というものです。
人間の身体も原則的には一緒です。軽く動くという動き方を修得している場合、そうでない人と感覚的に大きな差が生まれます。そして、その軽く動けるという感覚が常になってくると、その感覚に合わせるように身体も変化します。
整体治療の場合も同じです。その場合は、受け手にも感覚があるということになります。
例えば、重く腕を持ち上げられたら、受け手は腕が重いという感覚を得ます。反対に、軽く腕を持ち上げてあげると、受け手は腕が軽いという感覚を得ることができます。
そうするとあら不思議。
腕を持ち上げるという事をするだけで、結果として受け手は、腕が軽くなってしまうのです。
単純に腕を持ちあげるという事はシンプルな行為です。
でも本当の深いところは、どう腕を持ち上げるのか?
ただ腕を持ち上げるだけの事にどれだけの意味をつけられるか?
シンプルな事は誰もがスルーしてしまいがちですが、深めていくと本当に面白い世界です。
どんな世界の人でも、深めている人ほど、とってもシンプルな事に徹底してこだわっているような気がしてなりません。
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