2011-09-2
身体と脳
身体は正直ですが、脳は嘘をつくというのが人間です。
身体が変わるというのは必ずしも身体が変化するということではありません。
ちょっとややこしい表現でしたが、例えば整体治療をすれば、身体は簡単に確実に変化します。誰が何と言おうと死人ではない限り変化します。
しかし、その変わった身体を自覚できるかどうかは別問題です。
つまり、当の本人が「変わった」と自覚でき、はじめて身体は変わるのです。
現実的に身体が変わるというのは、身体に起こった変化を本人が自覚できたときに初めて成立します。
つまり、色々治療を受けて、変わったかどうかよくわからないというのは変化が自覚できるような施術ができなかった治療師の技量不足という視点と、受け手のそれを自覚できる能力という視点があります。間違っても身体に変化がないということではなく、自覚に変化がないということです。
治療には様々な解釈がありますが、少なくとも私個人の考えとしては、治療は患者さんの身体を変化させるだけではなく、自覚能力が向上するように訓練するところまでが含まれると考えています。「効かない」と治療師の技量不足として切り捨ててしまうのは簡単ですが、その一方で存在する“変化を自覚する力”という問題は見逃してしまってはならないと思います。
簡単に言えば、変化を自ら感じ取ろうとしない人はダメだということです。
結論としては、治療は施し手と受け手の共同作業で、お互いに責任があるということです。どちらかがその責任を放棄したとき、治療が成立しなくなると思います。
身体だけを観てもうまくいかず、脳だけを観てもうまくいかず、治療師は常に相手の身体と相手の脳という、2つの存在を1つとして観なければならない、そこが難しいところでもあります。
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