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編集部 魚見 (以下 編う) |
有名な例をあげると、海外ではカール・ルイス、ジョン・マッケーンロー、国内では有森裕子さん、伊達公子さん、北島康介さんなど、数多くのトップアスリートをサポートされてきた先生ですが、治療にあたるきっかけは、やはり選手同士の口コミですか?
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白石 |
そうですね。僕の治療でよくなった選手が、同じように苦しむ選手に僕を紹介してくれて。実にありがたことです(笑)
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編う |
たとえばアメリカの超VIPな選手が治療を受けたいとなると、わざわざ日本に来られるんですか?
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白石 |
来てくれたらいいのに、そこはやっぱり相手が相手だけに
おいそれとは来てくれない(笑)。「お呼びでしょうか?」と飛行機で駆けつける感じです。
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編う |
メインで行う治療は、鍼?
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白石 |
鍼と、メンタル的な治療もします。具体的には最近は、「気」を使います。フィジカルな「痛み」の原因をよくよく探っていくと、どうしてもメンタルな部分に行き着くわけです。身体に感じる痛みは、その人間の心が発するメッセージ。だから、その人間がいちばん苦しいところを開放してやらんと、同じ痛みの繰り返し。僕は肉体と精神はひとつだと思ってます。
身体だけを治して良くなるなんてことはまずない。
考え方、気持ちの持ち方、生き方、精神の根っこを変えんことには、痛みからはどうやっても逃げられない。
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編集部多川(以下・編た) |
その苦しさというのは、やはりプレッシャーからくるのですか?
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白石 |
そりゃもう、絶対勝たねば、記録を出さねば許されない。
想像を絶する過酷なプレッシャーですよ。でもね、それがどうしてキツイかというと、勝つことだけを考えているからなんですよ。それだけだと頑張るにも限界がある。そうでなくて、人を喜ばすこと、楽しませることを目標にすればいくらでも頑張れるし、自分も楽になるんですよ。不思議だけど、人間というのはみんなのためになるように、そんな風にできとるわけです。
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編た |
トップアスリートともなると、そういうメンタルコントロールがあたりまえにできているものだと思っていましたが、どんなに一流と言われる人でも、自分に自分が押しつぶされてしまうことがあるんですね。
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白石 |
スポーツ界で一流といわれる人ほど、自分を開放するのが難しい。なぜかというと四六時中、カメラに追いかけられ、世間の眼にさらされているわけでしょ。つねに人目を気にした生活なわけですよ。しかもゴシップ記事になればあることないこと、書かれる。そういう状況に置かれたら、人間、誰も信じられなくなる。
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編た |
人間不信。完全に閉じた状態。
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白石 |
ある有名な黒人シンガーは、100人の親戚に金銭的に頼られていました。成功して有名になってお金がある、となると親戚を名乗る人間が次々と「お金をくれ」と群がってくるわけです。そういう直接たかってくる人間だけでなく、ビジネスに利用してお金を儲けようという人など、欲を持って近づいてくる人間しかまわりにいなくなる。10年前に出会った頃の彼は、本当に孤独だったんじゃないかな。
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編た |
昭和のスターもけっこう、そんな感じでしたよね。親戚縁者の生活費を全部払わされていた大女優とか。プロダクションの社長やマネージャーに多額の借金を負わされた演歌歌手とか(苦笑)
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白石 |
華やかなスターの世界には、そういう裏もあるんですよ。
だから、「あなたたちはそういう世界に生きていて、人に夢を与える使命があるんだ」という自覚を持たせることから、始めるわけです。忘れかけていた自分の使命を再発見するところがスタート。あるいはリ・スタートです。
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編う |
カウンセリングみたいなことですか?
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白石 |
僕はインドで修行して、仏教やヒンズー教、キリスト教の勉強をしました。あとは、瞑想・メディテーション。そういう精神を解き放つトレーニングを一緒に続けるうちに、痛みを感じなくなるんです。だから「痛み」の元は心にあるという感じが、僕はするんですけどね。
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1件のコメント
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