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セラピューティック・トレーナー 白石鍼灸治療院 白石宏さんインタビュー (第2回)

【第2回】 次元を超えた? 治療(秘)エピソード。

編集部
魚見
(以下 編う)

世界的に有名なスター選手がケガや故障で悩んでいるとなると、それこそ「わたしなら治せます」という治療家がたくさん現れるんじゃないですか?

白石

以前、サッカー選手のジダンがケガしたとき。僕も呼ばれたんだけど、あのときは確か100人ぐらいの治療家が集まってきたりしてね(笑)

編う

はぁ〜、でも、ある意味チャンスですもんね(笑)。そのときは、治療はされなかったんですか?

白石

色々とスポンサー絡みの問題もあって、最後の数人まで残ったんですけど、最後で却下されたんです。

編集部
多川
(以下 編た)

治療家のオーディションですね(笑)。でもこんなことを言うと失礼かもしれませんが、「私なら治せる!」みたいな治療家ってちょっと怪しいイメージがあるんですけど・・・

白石

中にはそういう人もいるから(笑)。たとえば僕が、いきなり痛みの原因のすべては「気」です。僕が良い「気」を送って治しますみたいなことをやると、「なんだこいつは」ってことになるでしょ。だから最初は具体的にアプローチする「鍼」から入っていって、そこから見えない世界へちょっとずつ、ね(笑)

編う

いきなり怪しまれないように(笑)。でも白石先生は、インドやハワイで修行や勉強をされているので、西洋医学では信じられていない目には見えないものがあることを信じていらっしゃいますよね。それを具体的にどのように治療に生かしておられるのかと・・・

白石

リハビリの治療で、まずわかりやすいところでは、「動きを変える」のがひとつ。痛みが出ているところは、何らかのとどこおりがあるから、身体の他の部分を動かすことで上手い具合に気を散らす、落ち着かせる。あとは遠隔で「気」を送るというのがあってね。それはまあ次元を超えた治療というやつです。

白石宏さんインタビュー
編う

スポーツ選手や芸能人、それこそ政治家などトップに立つ人には精神的なケアをしてくれる存在が必要なんでしょうか?

白石

そういう助けがないと、持ちこたえられない。頂点にいる人は、自分を叱ってくれる人がいない。それは恐ろしく孤独な状況ですよ。僕の場合は、それこそ相手がどれだけ偉かろうと、その人に食べさせてもらっているわけじゃないから。直接的な利害関係がないから、「あなたのここが良くない」と相手の痛いところをはっきり言わせてもらう。お金もとらないしね。

編う

え、無料で?

白石

そういうときは、わざととらないんです。「金目当て」だと思われるでしょ。そういうトップの人というのはお金で動く人間をいやというほど知っている。だから、もらわないです。僕は違いますと(笑)。治療の効果を感じてもらえたら、次も呼んでもらえる。そのとき初めて契約を交わします。

編う

世界的な著名人を目の前にして、白石先生は緊張したりとか?

白石

もう33年やってますからね。でも、最初はビビりましたよ。カール・ルイスのときは、明後日が決勝というときに呼ばれて何とかしてくれみたいな。もう鍼なんか怖くて打てませんでしたよ。でも、そういうギリギリの修羅場をくぐり抜けてきたから、今は誰がきても、だいたい大丈夫(笑)

編た

やりにくいタイプとかありますか?

白石

心を開いていない人。元メジャーリーガーで、これがもう唯我独尊の暴君で、金本くん(阪神選手)からも「大変ですよ」と聞かされてたんですよ。でも行けばなんとかなるだろうと行ってみたら、いきなり完全無視(笑)。コーディネイトをした友人は「こないだ話したすごい人が日本から来てくれたんだよ」と必死でかけ合ってくれるんだけど、向こうはまったく取り合う気がなく、その友人も困り果ててた。で、どうしたもんかと、ふっとその選手の歩き方を見て「腰が悪いのは、身体がねじれているからですよ」って言ってやったんですよ。そしたらぎょっとした顔で「なんでオレが腰が悪いの知っているんだ?俺はヒザが悪いとしか言ってないのに」って。するとさっきの友人が勝ち誇ったように「that’s why I told you!(だから言ったじゃないか)」って。この言葉が僕いちばん好きなんです(笑)

編う

それで心を開いてもらえたんですか?

白石

一気にね(笑)。僕のことを素直に受け入れてくれました。でも、心を開いてくれないケースももちろんある。それはもう、タイミングが合わなかったんだとそう思うことにしてるんです。

白石宏さんインタビュー


撮影/岡崎健志
002 セラピューティック・トレーナー 白石宏さん Interview
第1回 身体の痛みは、心が発するメッセージ 2010年10月10日 更新
第2回 次元を超えた? 治療㊙エピソード。 2010年10月17日 更新
第3回 ケガや病気には必ず意味がある 2010年10月24日 更新
第4回 人間の強さとは、続けること。 2010年10月31日 更新

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1件のコメント

気功で痛みって取れるもんなんですか?

by だい - 2012/07/24 8:40 PM

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セラピューティック・トレーナー 白石鍼灸治療院 白石宏さんインタビュー (第2回)





しらいし・ひろし

1956年5月20日山口県生まれの広島市育ち。S,T,I 白石鍼灸治療院代表。
日本体育大学在学中からアメリカUCLAほかでトレーナー修行、日本体育大学陸上部内にスチューデント・トレーナー制度を創設する。卒業後は鍼灸師資格を 取得し、アメリカのトレーナー科学と鍼灸・マッサージを融合した独自の技術で定評を得る。米NFLスーパー・ボウルに臨むシカゴ・ベアーズの治療にあたり、優勝に貢献したことは現地でも「伝説」になっている。これまでに、有森裕子、カールルイス、清原和博など多様なジャンルでのアスリートの治療を行い、 競技生活のサポートをし続けている。また、西洋医学と東洋医学の融合を現場で推進する統合医療に取り組み、「セラピューティック・トレーナー」として、新たな道を拓いている。アーキュパンチャーオブザイヤーUSA'85(1985年度アメリカNo.1針灸師)受賞。

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