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AV監督 村西とおるさん スペシャルインタビュー (第3回)

第3回 男を救う「はめさせ上手な女」とは?

編た

昭和の頃は、ひとたび都会のサバンナに出れば、欲望剝きだしのギラついた野獣がうじょうじょいたものです。それが平成の昨今では、草食系やセックスレスカップルなど、男性の性欲や男女の性的関係性もソフトでマイルドな質感に変わってきたと感じるのですが、実際どうなんでしょうか?

村西

注意したいのは、男の欲情を萎えさせているのは誰か? ということですね。たとえば浜崎あゆみや沢尻エリカのようなべっぴんさんの前で「草食系」でいられる男はいるだろうかと。

編た

食べれる獲物がなくなったから仕方なく草を食んでいるんだと。根っから草食系な男なんかいるわけないと(笑)

村西

さらにもうひとつ、男たちが狩りに出なくなったのは、AVやグラビアでとんでもないマンモスを知ってしまったからでしょうね。無理矢理押し倒すようなリスクを背負わずとも、それなりの、いやそれ以上に満たされるものがたくさんあるわけです。何しろ私が若い頃なんて、NHKの大相撲中継で栃錦関の太もも見ながらオナニーするのが関の山という物のない時代でしたから。それが今では、インターネットなんてエロ情報の宝庫でしょ? そのあたり、もう少し男の立場に立って考えていただきたいものですね。

編た

ということは、女性は自分に都合のいい口実を得たってことですね。自分が狙われない、欲しがられない、押し倒されないのは「草食系だから」ではなく、単にマズイだけかもしれない。それを自分可愛さに都合良く時代のせいにするなと(笑)

村西

それは悲しいかな、ありますね。何しろAVやエロ本などの物資の乏しい発展途上国に草食系なんて存在し得ないですよ。女性と見れば、それが最高の獲物だと飛びかかってきますよ。でも今の日本の男性たちは「三ツ星レストランの最高のフルコースの味」を知ってしまっているわけです。そこに、麦飯に腐ったソーセージを乗せたような不細工なものを出されてさあ食べろと言われても、それは無理な話です。

編う

そうすると現在、何かと苦戦を強いられている女性はどうすればいいんでしょうか?

村西

ですから女性の方には、したたかになってもらわないといけません。たとえば男は勃たなければ、起動できない。そこが女性と大いに違うところです。考えても見て下さい。たとえば貴女たち自身のアソコが、しょんべん小僧のように勃たないとセックスできないとなったらどうですか? 重力に逆らって自ら起きるわけですよ。でも貴女がたは、すでに穴が装備されていらっしゃるから、1週間に100回でもちっとも苦ではない。圧倒的に女性の方が男性をはるかに凌駕するパワーの持ち主であることは、そうした肉体的なシステムひとつ見てもおわかりいただけるかと思います。

編た

でも、男は好きでもない女でもできるって言うじゃないですか?

村西

女はできないと、そうおっしゃりたいわけですね。実は、反対なんですよ。何度も申し上げますが、女性は既に穴が開いている。今そこに開いているんです。つまりは構造上、物理的にも形而上学的にも、誰とでもできるんです。でも男はちょっとでも精神的な揺らぎや不安や「こんなことしていいのか」なんて罪の意識が見え隠れしたら勃たないですよ。私の友人に、関東一円40店舗以上を経営する超リッチな男がおります。で、その男めがけて、店長になりたいからと肉体攻撃を仕掛けてくる女性がたくさんいます。でもその超リッチな友人の男は、そういう女は相手にしない。彼はね、盗み見ないと興奮しない男なんです。生まれ育った田舎から一歩も出たこともなく、地元の農協や役場で地味に事務仕事しているような女性を軽井沢の別荘に連れて行って、きれいな服を買ってあげて、お風呂場で着替えさせて、それを見てひとりで興奮するのが彼のセックスなわけです。男性にはね、そういう異常に繊細な自分だけのイメージがあるんですよ。女性にそこまで精緻なこだわりがありますか? ですから、その強さ、たくましさ、図太さというものを発揮していただきたいわけです。

編た

イメージは大体つかめましたが、で、実際にどうしてほしいってことなんでしょうか(笑)。

村西

男たちは、ミシュランガイドに載るような一流店のメニューがいかに美味しいかは知っている。でも知っているだけで食べたことはないんです。だからまずニオイをかましていただきたいの。ブラウスのワキ汗とか屁とか、そういうニオイをふふ〜んとかますでしょ? すると「あ、これは焼き肉の匂いだな」とか「ステーキが焼けてるな」と、ぐっと食欲が湧いてきます。そうなると次は触感。触るというのはダイレクトな刺激です。「ねえねえ、ちょっと見せて」と肩に触れたり、「いま何時?」って腕時計を見るフリして男の腕にしなだれたり。そうすると大抵の男は、ふぃっとムクムクしてくるわけです。

編た

まずは屁をこいで嗅覚を刺激した後、その次は触りまくって相手がふいっとなったところで、次は?

村西

ラインを味あわせる。きゅっとくびれたウエスト、バストライン、ぷりんと突き出たヒップラインを見せつけ、押しつける。そうなると起動準備完了です。何と言っても、男というのは傷つくこと、恥をかくことを何より恐れている生き物です。ですから、100%オッケーよ、出していいわよと準備万端整えてあげたら、いとも簡単に手も出すし足も出します。工藤静香なんかは、やはりその落としどころが実に巧妙なプロだということです。やはり何と言いますか、いつの時代も最後に微笑むのは「はめさせ上手な女」です。そういう女性は、プロモーションが上手だということです。

編た

なるほど〜。“はめさせ上手” な女性が40歳や50歳で独りでいるはずないですもんね(苦笑)。

村西

先ほどから申し上げている一連の方法ですと万一、失敗したとしても、男性は一切傷つかないですよ。出会ったら握手をする、別れる時はハグをする。何かにつけてニオイをかませ、やたらと触る。カラオケに行けば「この曲好き」とボディを押しつける。男性というのは女性にそのように積極的に導いてもらいながらも「おれが口説き落とした」、「やってやった」みたいな達成感を持たせてほしいものです。俺の魅力でこの女が惚れた、落ちたみたいな、狩人としての楽しみでしょうか。そういうことでしょうね。

編う

男性を喜ばせるテクニックかぁ・・・。

村西

何より女性は徹底したリアリストになってもらわなければ。情報過多の今の男性は、セックスひとつにしても「女というのはこんなことまでやらないとイカないのか」などと過剰な妄想を抱いているものです。果たしてそんなこと俺にできるだろうか、みっともない恥をさらすくらいならバーチャルでいいやと、閉じこもる。AVなどの映像文化はそういう心理的なひきこもりを生み出した大きな要因でもあります。

編た

女性の方が、欲望の代替商品やサービスが充実しているというのもありますが、女性はどんどん外へ外へ向かっているのに、男性の方が内向きというのは感じます。心理的なひきこもりというのは、それは自分に自信が持てないということなんですか?

村西

自分を客観視してしまうということです。たとえば、自分の姿形を写真やビデオに撮って観ることで、ダサイ俺、イケてない俺というビジュアルがまざまざと見えるわけです。そのコンプレックスを克服するためにジムで体を鍛えようというポジティブでパワフルな男性もいますが、極めて少数派です。普通はそこで落胆して、ひきこもってしまう。そういう傷ついた魂を抱えた男性はたくさんいます。映像で自分自身を客観視する機械・道具・情報に恵まれ過ぎたがために、ひきこもらずにいられなくなった。それが男たちのひきこもり現象ではないでしょうか。

編た

必要以上に自分を観すぎたがゆえに?

村西

物の見方、とらえ方というのは、すべて主観でしかないので、こちらが必要以上だと思っても、その人にとってはあたりまえのことかもしれない。ひきこもりと言うより、傷つきやすい心を持つ人たちと言ったほうがいいかもしれないですね。

編た

「俺なんか」とひきこもっている男性と自分を磨いて頑張っている女性。ものすごくバランスの悪い組み合わせのような気がするんですが。

村西

自分の魅力とお金と努力で人生を成り立たせていく女性が増えるのはいいことだと思いますよ。浜崎あゆみみたいに相手はオーディションで選んでかりそめの結婚でもして見せる女性もいれば、野田聖子さんのようにセックスも卵子さえなくても、自分の力で子どもを産んで育てて行くハングリーな女性もおられる。山崎直子さんのように、宇宙に飛んで行って帰ってくるような女性もいます。今の女性たちは非常にたくましく、自立しています。だからもっと巧みにしたたかに男たちをたらしこんでいいんじゃないでしょうか。でないと少子化問題も解決しませんよ。私なども、それはもう傷つきやすいくせにプライドが高く見栄っ張りな男です。だから、そこらへんをちょちょっとつまんで、さっとゆであげればいいだけなんです。男なんて単純で簡単なものですから。


撮影/岡崎健志
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AV監督 村西とおるさん スペシャルインタビュー (第3回)






1948年生まれ。福島県出身。上京後、バーテン、英会話セットのセールスマン、テレビゲームリース業を経て「裏本の帝王」となるが、全国指名手配となり逮捕される。その後、AV監督となって今日に至る。
前科七犯(うち米国で一犯)。これまで3000本のAVを制作し、7000人の女性のヒザとヒザの間の奥を視認してきた、顔面シャワー、駅弁の生みの親。「昭和最後のエロ事師」を自認し、「AVの帝王」と呼ばれている。
http://muranishi-ch.com/

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