salitoté(さりとて) 歩きながら考える、大人の道草ウェブマガジン

生まれ順メモリアル

一人っ子ストーリー


わたしの知る一人っ子女性が、恋愛問題解決の糸口として自分に掲げている課題。それは「甘え上手になる」ことだったりする。
「一人っ子」でなくても甘え下手な人はいるだろうが、生まれた時から兄弟姉妹同士のケンカというものを知らない「ひとりっ子」さんは、人に感情をぶつける、ぶつけられるという自我剝き出しのコミュニケーションに免疫がないという人が結構多い。そんなもの「ない方がいい」に決まっているが、それは自分に「あった」からこそ思えることなのか。一人育ちの彼女いわく「ぶつかり合っても一緒に居られる人間関係をやってみたい」のだそうだ。

一人っ子ストーリー

人に甘える、人との関わり方がわかっていないのかも。

私は一人っ子である。ひとり大好き。3人以上の集まりは苦手、集団行動嫌い。自分勝手で、一人だと物事はスムースに、テキパキ進むが、人に手伝ってもらうのが苦手。最近になってようやく、「一人っ子要素」が私を形成している、と納得し、一人っ子な自分を楽しんでいる。でも、ひとつだけ改善したい点がある。それは「甘え下手」なことだ。小さい頃から両親の不在が多く、祖母の面倒も見ていたため、私は小さい頃から近所でも評判の「しっかりした子」だった。だからかどうかわからないけど、未だにどうやって人に甘えたらいいのかわからないのだ。一人っ子ゆえに人との関わり方がわかっていないのかもしれない。とにかく、これからはしっかり者はやめて、甘え上手さんになりたい。ここを改善できれば、結婚も近いハズ…。

Misa

大人数の場では口数少なく傍観し、飽きれば妄想。

20代の頃、ひとりで海外旅行へ出ることが大好きだった。言葉も通じず、勝手もわからないまま放浪することが、なぜだかしっくりきた。たぶんマイペースで妄想癖があり、人と話さなくても比較的大丈夫なひとりっ子気質によるものだろう。競う相手も、協調しないといけない相手もいないので、ひとり気分の赴くまま場所を決め、移動するのは快適だ。「競争しない、協調性に欠ける、気分にムラがある」と繰り返し通知簿に書かれたのも無理はない。
40代になった今はと言えば、競争力を必要とする鍋のシーンでは
なかなかお腹一杯にはなれず、協調はしんどいので、人数の多い食事やお酒の場では口数少なく傍観にまわり、観察し、飽きれば妄想に走る。でも気分のムラは絶好調なので饒舌になる時もある。
ただ欠点のように思えるこれらも意外と良い方へ変換されることも、
痛いしっぺ返しを頂いてしまうことも覚え、私の根幹をなす愛すべき要素なのだ。お鍋の時目標物をゲットして、密かに競争に勝ったつもりになり、心の中でガッツポーズ決める、ザ・ひとりっ子なのです。

半熟玉子

中立的なポジショニングも一人っ子ならではの役割。

一人っ子最大の特徴は、「注目してもらうことに慣れている」ことかなぁ。争う子どもがいないから、自分の話に耳を傾けてもらうのが当たり前。だから、「オチのない話をする」も「気が利かない」のもそのその通り、耳が痛い。「一人っ子=わがまま」とよく言われるけど、それは「我を通す」というより「我が通る」環境だったということ(結果は同じだけど)。一方で、両親の間を取り持ち、家庭内のバランスをとるのはわたししかいない使命感も大きい。両親がピリピリしていると、わざと明るく振る舞ったり、話しかけてみたり、結構気を遣っていた。実はこれが功を奏して、家庭内の険悪ムードを解消したことも多々ある。半年ほど祖父と同居していた時期があったが、そのとき父がイライラを募らせていた。当時、小学4年生のわたしは、祖父と父の不穏な空気を本能的に感じ取り、「○○は悲しいよ」と可愛らしく間に入った。自分の強みをわかっているあたりが、一人っ子の自意識過剰っぷりを存分に証明しているんだけど(笑)、これが利いて二人とも白旗。険悪ムードは解消し、以後、何年にもわたって父に褒められた。中立的なポジショニングも一人っ子ならではの役割なのかも。

33歳 Tia
「生まれ順」なんて、血液型や星座占いと同じく、当たってようと当たってまいと、どうでもいいと言えばどうでもいい話なのは、確かにそう。たぶんわたしが、キャピキャピした「恋愛話」をどうでもいいと思ってしまうのと同じく(苦笑)

ただ、女同士集まって飲みながらこの手の話をすると、小さい頃に自分は何を思い、何が嬉しくて、何が悲しかったか、それぞれの「自分語り」でしみじみ盛り上がれる。自分たちがそれだけ年齢をとったということもあるだろうが、それぞれ心の中に持っているものを見せ合うというのは、大人になるとなかなかできないし、そこまで話したい人に出会えることも少ない。だから、何かしらその人それぞれの成り立ちに触れるきっかけ、より深く知り合う話題として「生まれ順」ネタを持ち込んだりする。
今さらながらの生まれ順メモリアル。いくつになっても変わらない自分を振り返りつつ、目線は前へ。どうぞ良い新年を。

文・多川麗津子 イラスト・trapeze


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3件のコメント

やりたいことしかやらない、どこかへらへらしている、一生のお願いを何度も使う、約束をする責任感が嫌い…etc
すべて当てはまってる私はB型末っ子です。
最低すぎて笑えるなあ・・・なんか、みなさん迷惑かけててすみません(´・ω・`)

by kmy - 2010/12/14 1:43 PM

器が小さく大丈夫じゃない男性の方が落ち着くってことは、ダメな男好きなのか? 小さい頃は「おにいちゃん」「おねえちゃん」に憧れたなぁ。とくに、くらもちふさこ漫画「東京のカサノバ」。かっこいい兄貴が2人いるターコのポジショニングが羨ましいのなんのって(笑)小さい方の兄「ちいちゃん」は、まさに福山雅治イメージ。

by Ritsuko Tagawa - 2010/12/14 2:46 PM

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