salitoté(さりとて) 歩きながら考える、大人の道草ウェブマガジン

ひとりより、ふたりか?

確かに、ひとりは望めばなれるが、ふたりは望んだからといってなれるものでも続くわけでもなく・・・。誰かと人生を共有することは、もちろんいいことばかりではない。生活を共にするということは、相手の人生に起こるすべてが自分にも降りかかってくるということで、ひとりなら味わえない楽しさにもれなく、ひとりなら味わわずすむ苦労や憂き目も付いてくる。それをどう受け止めるか、どう取り組むか、どこまで自分は受け入れられるか。だからこそ挑む価値ある人生修行の「ふたり論」3連発。

人と絡み合う、人生の修行・冒険をしてみたい

どれほどわかり合える親友にも、ぶつけることが出来ないことがある。「機嫌、気分、甘え」など、決して他人様に投げつけてはいけない類いのものである。この「他人様に、投げつけてはいけないもの」を交わし合い、許し合う人間同士のキャッチボールに、私は今、興味津々だ。
「誰にも気兼ねせず、ひとり自由でいたい」「家での自分は誰にも見せれない」とよく言うけれど、誰にも見せれないことって、本当は誰かひとりぐらいには、見ていてもらいたいと思うものなのでは。我がまま自由な自分の場所は、誰かの存在があってこそ。そこにあるのは、何があっても受け入れてもらえる安心感と、相手を受け入れる静かな覚悟。私たちはその存在によってはじめて、解き放たれ、精神的な自由を感じ、より自立することができ、また世の中へと向かって行けるのではと思う。人はきっと、それを無意識に求め、出逢うのではないかしら。
ひとりで生きるためのオプションを揃え、心から気の許せる友人がいたとしても、この不在は、やりきれない孤独を生み、心が荒み、自由をも阻む。赤の他人同士が、ひとつ屋根の下で暮らすのは、生半可なきれいごとではないし、一生続けられるかどうかも定かではない。ただこの、人と絡み合う修行めいた、私にとっては人生最大の冒険をしてみたいと、少し遅いがこの歳になって、はっきりくっきり思う今日この頃。ひとりよりもふたり、なのだ。

44歳 半熟玉子

お互い好き勝手やってたら、結婚した意味がない

ひとりでもふたりでも、それが幸せな方向になるように自分で工夫する。だから、ひとりでも幸せだし、ふたりでも幸せになるようにする。ふたりだから幸せになる保証なんてない。ひとりだから幸せになる保証もない。ふたりだから幸せだ、というのは、結果的にふたりだから幸せだと言えるような事を積み重ねてきて、その結果、過去を振り返って判断しているだけ。そう思えるか思えないかはそれまでの積み重ねとその時の感情でしかない。良かったと言えるようにしてきたというだけ。私の場合、結婚してから考え方がガラリと変わった。結婚する前はお互いが気楽に自由に好きな事をやって、そして一緒に楽しい生活を送ればよいと思っていた。結婚してからは、考え方が変わったというよりも逆に結婚した以上は今までと同じ考えではつまらないなと思った。それはお互い好き勝手やってたら一緒に生活する意味がないと思ったから。
結婚ということを選択したから、その選択を幸せな方向に自分で導いているだけ。そう導けるのは、お互いに“人は違って当たり前”という考え方を持っているから。思うようにいかないこともあるけれど、基本的には愉快で飽きない生活。これが最高に幸せ。なぜなら、私にとって幸せとは“愉快で飽きないこと”だから…

34歳 きんちゃん

生活の基盤として、ふたりで人生を歩めたら

1人暮らしより、家族や彼氏、旦那さんと生活しているときの方が、明らかに楽しかったと思う。細かいことを思えば、煩わしいこともたくさんある。相手にふりかかる災いは自分のこととしてふりかかってくる。かといって、相手の幸いがそのまま自分にも幸いなこととは限らない。では、ひとりではどうだろう。好きに仕事して、余暇を楽しみ、自分のために自分で稼いだお金を使う。ひとりでもちゃんと充実した日々を生きていける。健康であればお金に困ることもないだろうし、本音を言える友達や仲間もいる。ただ、その友達や仲間と人生を共有することはできるのかと考えた時、生活の基盤として、誰かとふたりで人生を歩みたいと思うのかもしれない。
自分の生活で何を優先させるかは、誰かに制限されるのではなく、自分で選んでいくものなのだ。自分で選ぶことをさせてくれる相手と人生を歩んでいけるのなら、ふたりでいることは居心地が良い。そして、そこには責任と良い意味での妥協が生じる。相手が望んでいることを考え、相手にも選んでもらった上で、バランスをとりながら優先順位を決めていく。大人になると、ある程度バランスのとり方がわかってくるのではないか。よく言われることではあるが、二人でいると、楽しいことは二倍に、辛いことは半分になるという。これは事実であると実感するが、その水面下ではそれなりの覚悟と努力が必要なのだろう。

33歳 エチルダ 

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