女の人生は男のそれより、めまぐるしく変わる。男は結婚していようが子どもがいようが、嫁がどんなタイプだろうが、友だち付き合いはたいして変わらない。
けれど女性の場合、仕事、職業、収入、生活レベルもさることながら、結婚しているかそうでないか、子どもいるかいないか、頼るべきは自分かパートナーか。もっといえば、日々何を思い、何に悩み、何と闘い、何を頑張っているのか。何かにつけて「頑張ろな」ときつく思い合えるかどうか…etc あらゆる点において「違い」に敏感に反応しやすい女性は、それぞれが直面している現実が違ってくると、なかなか友だちではいられなくなる。微妙にズレてきたポイント、方向性の違いをすり合わせてどうこう言わずとも、自然にお互いそれとなく疎遠になり、離れていく。 でも、それもひとつの友情の形なのかもしれない。 変わっていく中でも変わらずいられる人が親友なのか。私が考える友情、友情ということを最近考えたこともなかったというのが本音。親友だと思っても一瞬で壊れることもあるし、友情だと思っていても相手は打算的に考えていることもあるし。私の場合は、つきあう人が変わりました。自分自身が現実思考で生きているもので、空想思考の方とは疎遠になるし、建設的な性格なので、ぐずぐず言う人とも疎遠になる。はっきり言えば、収入面でもそう。たとえば2,000万円稼いでいる人と200万円稼いでいる人とは、こっちが意識しなくても、やっぱり向こうが意識して疎遠になる。もっと言えば、勤め人と自営業者でも話のスレ違いから疎遠になる。 きんちゃん
違いや変化を超えて通じ合える友の大切さを再認識。子どもの頃は、近所に住んでいるとか同じ学校であるとか、似たような環境の中で友だちになる。一緒に遊んで勉強して喧嘩して仲直りして。相手を心配し気遣い、時に嫉妬もするけど相手の幸せを祝福する。しかし、お互い未熟なために相手に配慮するのは難しく、自分が困っているときに助けて~!と、相手を振り回してしまうこともあっただろう。では大人になってからの友情はどうか。お互いの成長過程をリアルタイムで見ているわけではないが、ある程度人を見る目も肥えているので自分と解り合える人なのか直観で感じることができる。そういう友だちと友情を育んでいくには、やはり最低限の常識をわきまえた言動が必要だし、そういうなかで育まれた友情は本物で、ただの傷のなめ合いではなく、本当に自分がピンチに陥った時に助けてくれる大切な友達になっている。自分の生活史に合わせて近くにいる人と新たに友達になり、環境が変わることでかつては通じ合っていた友達とも疎遠になる。これは自然なことだろう。でも、一度本当に大切な友達になった人とは、お互いの環境が変わろうが、会わない時間が長かろうが、会って話したときには、環境の違いも会わなかった時間もまるで何もなかったように打ち解け、その大切さを再認識する、それが大人の友情だと思う。 エチルダ
女の友情は男のそれより、生々しい感情に支えられているのではないか。それは、男の友情が「あいつはスゴイ」「あいつには叶わない」と相手の力、才能、器量を認め合う個人主義的な色合いが濃いのに比べ、女のそれは、いかに苦しみを共有し分かち合えるかの一点にかかっていると言っていい。幸せを分かち合う、喜びをシェアする。もちろんそれはそれで結構だが、女の友情の本領はそんなハッピーなところでは発揮されないと、わたしは思いあたる節がある。つらければつらいほど、苦しければ苦しいほど、むしろ不幸であればあるほど、そこで結びついた女の友情ほど無敵に強固なものはないように思う。自分にしても、仕事や職業や環境は違っても、彼女も自分と同じようにもがき、闘い、悩み、苦しんでいると思えるからこそ友だちでいられるということは否めない。彼女には誰より幸せになってほしい。それはもう絶対そう願っている。けれど、そう言う心の奥底で「どうか彼女がアラブの大富豪と結婚しませんように」とか、彼女のパートナーが物心ともに頼りがい満載の甲斐性マンではなく、いかに頼りにならないかを一緒に競い合い笑い合えるような人ならいいのに・・・などと、そんなしょうもないことを思ってしまう輩である。自分の置かれた状況とできるだけ近いところで、共に闘い、頑張ってしんどい部分をリアルに共感し合い、分かち合いたいと切望している自分がいる時点で、決してドロドロしていないとは言えないわけである。たぶん自分も含め、何をそこまで執拗に分かち合いたいのかというと、それが何であれ「取り残される」ことが辛抱たまらないからじゃないか。なるほど、一歩間違えたら怖しい感情の生き物である女同士の友情には、節度とマナーと教育が大切だと、いやはや重々感じ入る次第です。
【あゝ友情おすすめDVD/ブルーレイ】「陽暉楼」
高知随一の遊郭・陽暉楼を舞台にした宮尾登美子の同名小説映画。陽暉楼NO.1芸妓・桃若(池上季実子)と女郎屋の娼婦・桃若(浅野温子)が髪を振り乱してつかみ合い殴り合う、凄まじい決闘シーンがあまりに鮮烈で忘れられない。そして、そこまでやり合ったからこそ心の底から思い合う2人の友情に、女ならではの愛憎の激しさを感じずにいられない。
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