salitoté(さりとて) 歩きながら考える、大人の道草ウェブマガジン

そらのうみをみていたら。

2010-12-19
「引き寄せる」ってなんだ!?

思いが現実になったとき。
その現実を思いが引き寄せたと、いう。

たとえば、
「今晩、焼き肉が食べたいな」と思ったら、友人から「焼き肉食べない?」の誘い。
「約束があるけど、あまり外に出たくないな」と思うと、相手から「風邪をひいたのでキャンセルしてほしい」。
「最近出会った彼。いい感じだけど、うまくいくのかな…」と思うと、「ごめん…。元カノとよりが戻った」
「このプレゼン、自信はあるけど、どうかな…」。結果、トップダウンで企画が白紙に。

「注意と意識とエネルギーを向けるものは、
良いことであれ、悪いことであれ、現実のものとなって現れる——。」
(「引き寄せの法則」(講談社)内容紹介文より)

だから、悪いことを思わないように、いつもポジティブに考えるように気をつけていないといけない。悪いことが起こったら、ああ、ちょっとでも不安に思ったからいけないんだ…と「思った」ことを悔やむ。

意識を向けるようになると、「無意識」にも行動や言動、雰囲気、はっきりと目に見えて自覚できる変化でなくとも、人は意識したことに向かって事を成すようになる。だから、自ずと思いが現実になりやすくなる。
一方で、「無意識」に起こっている現実を受け取っているから、「思う」ようになることもある。

かといって、
「オリンピックで金メダルをとりたい」と思い、必死に人生のすべてをなげうったところで、金メダルをとれるとも限らない。
「キムタクと結婚したい」と思ってもできないように(しつこいですね。キムタクネタ…)

ぐるぐるぐるぐる…
卵が先かにわとりが先か…?

こんな面倒なことを思いめぐらすようになったのは、「知になるピープル」にご登場いただいている平川克美さんの言葉にショックを受けたからだ。

「本来の自分なんてない」
「自分で考えるとは自分を壊すこと」

いいことが起こっても、悪いことが思っても、その現実となった「思い」は本当に自分が考えたことなのか。その「自分」とはなんだ?

ぐるぐるぐるぐるしているうちに、「思いを引き寄せる」ことは、ただの自分勝手、自己中心的な「欲」でしかないことに、思いいたった(自分の場合です)。

そんな勝手な人間が社会でなんとか生かしてもらうには、「自分」を壊すことに注意を向けないといけないのではないか。

「さりとて、さりとて」…。

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魚見幸代
魚見幸代

うおみ・ゆきよ/編集者。愛媛県出身。神奈川県在住。大阪府立大学卒業後、実家の料理屋『季節料理 魚吉』を手伝い、その後渡豪し、ダイビングインストラクターに。帰国後、バイトを経て編集プロダクションへ。1999年独立し有限会社スカイブルー設立。数年前よりハワイ文化に興味をもち、ロミロミやフラを学ぶ。『漁師の食卓』(ポプラ社)

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